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≫シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション


■公開年月:2019年11月29日(※日本)
■監督:フィリップ・ラショー
■出演:フィリップ・ラショー、エロディ・フォンタン、カメル・ゴンフー、ソフィー・モーゼル、タレク・ブダリ、ジュリアン・アルッティ、ディディエ・ブルドン、ラファエル・ペルソナ、パメラ・アンダーソン、ジェロム・レ・バンナ…(ほか)
■声の出演(※日本語吹き替え版):山寺宏一、沢城みゆき、玄田哲章、田中秀幸、一龍斎春水、浪川大輔、多田野曜平、土師孝也、三上哲、恒松あゆみ、くじら、伊倉一恵、神谷明…(ほか)
■販売元:ハピネット
■定価:3900円(DVD:税別)、4800円(Blue-Ray通常版:税別)、6,800円(Blue-Ray豪華版:税別)
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 6/7/2020≫
◆Wipeout Omega Collection(ワイプアウト オメガコレクション)
◆仁王(※パッケージのみ)
◆DUAL SHOCK 4
◆ストーリー概略
凄腕のスイーパー(始末屋)「シティーハンター」ことリョウは、相棒のカオリと様々な仕事を受けている。

ある日、掲示板に書き込まれた「XYZ」宛の新たな依頼。その依頼人である男ドミニク・ルテリエより、リョウとカオリは仕事の話を聞く。それはルテリエの父が開発した「キューピッドの香水」を悪の手から守って欲しいとの依頼だった。香水の効果を信用しないリョウはルテリエへ香水を吹きかけるのだが、その効果を確かめる間もなく、現場で突然の爆発が!その一瞬の出来事を突くかのように、バイクに乗った男が香水を奪って行った。リョウはその後を追いかけ、奪った男が旧友で元傭兵の海坊主であることを知る。一体なぜ、彼が香水を狙っているのか?

そんな疑問を考える間もなく、香水の効果が出始める。このままでは48時間後、リョウは色んな意味で”もっこり”できなくなってしまう。果たして時間内に香水を取り戻せるのだろうか?決死の奪回作戦が始まった!
◆作品解説


集英社『週刊少年ジャンプ』誌上で1985年から1991年に渡って連載、1987年にはテレビアニメ化も果たし、人気を博した北条司原作のハードボイルドコメディ漫画『シティーハンター』を原作にしたフランス映画。原題は『Nicky Larson et le Parfum de Cupidon』。2015年上映の『世界の果てまでヒャッハー!』で監督・主演を務めたフィリップ・ラショーが企画した実写映画で、同作に引き続き、本作でも監督と主演(リョウ役)、さらに脚本を担当。また、相棒のカオリ役にはフィリップ・ラショーのプライベート上のパートナーでもある女優エロディ・フォンタンを起用。脇を固めるキャストで、海坊主役には本作が映画初出演となる格闘家のカメル・ゴンフー、サエコ役に ソフィー・モーゼル、そしてカオリの兄であるヒデユキ役にラファエル・ペルソナが起用されている。そのほか、本作オリジナルキャラクターのパンチョ役にダレク・ブダリ、ジルベール・スキッピー役にジュリアン・アルッティ。なお、ジュリアン・アルッティは本作の脚本にも携わっている。
さらにリョウと敵対する悪党役で、格闘家のジェロム・レ・バンナも出演している。

日本では2019年11月29日に「デラックス吹き替え版」と題して上映。
リョウ役にはテレビアニメ版で悪党の下っ端役を数多く演じ、当時は新人声優でもあった山寺宏一、カオリ役には沢城みゆきが起用されている。2人のオリジナルキャストである神谷明、伊倉一恵は特別出演という形で、別のキャラクターに配役。当初はオリジナルキャストで行く方針だったようだが、神谷氏から「本作のリョウは実写版のリョウである」との理由で辞退され、代わりに山寺氏に白羽の矢が立つに至った。なお、海坊主とサエコ、ヒデユキ役には2人とは異なり、オリジナルキャスト(玄田哲章、一龍斎春水、田中秀幸)が起用されている。(ちなみに原作、アニメ版との舞台設定の違いを表す意図でか、国内版のキャラクター名・呼称はカタカナ表記、且つ下の名前で統一されている。)

本国フランスでは2019年2月6日に上映。



奇しくも20年ぶりの新作アニメである『劇場版シティーハンター 新宿プライベート・アイズ』と同時期で、当時のワイドショーでも取り上げられた。その原作漫画、アニメに忠実どころか飛び出してきたも同然なキャラクターたちの容姿、「100tハンマー」を始めとするギャグの再現で大きな注目を集め、本国フランスでは観客動員160万超の記録的な大ヒットを達成。国内でも早急な上陸が渇望されるほどに沸騰した。約9ヶ月の時を経て、上映に至ったが、その中身は紛うことなきシティーハンターと言える出来。舞台は東京・新宿ではなくフランスになっているが、海外で撮影されたことを意識させる風景が映し出されない(エッフェル塔などを意図的に合成で消している)のもあり、全くそれっぽさを感じさせない仕上がりになっている。むしろ、フランスなのに新宿でストーリーが展開されていると錯覚してしまうほど。前代未聞の”バグ”が生じた有様になっているさらに原作漫画、アニメ由来の要素も多数登場。いずれも漫画、アニメという媒体特有のものを実写の場で違和感なく翻案していて、元を知る人なら感涙必至の仕上がりになっている。特にアニメ版の唖然とするシーンで登場していた”カラス”が本物を使って再現されている所には、制作側の本気を痛感すること確実。上映前から話題騒然となった各キャラクターの容姿も原作漫画、アニメを完全再現しており、中でも海坊主は本当に漫画、アニメのキャラクターが実写にそのまま飛び出してきたかのような驚きの存在感を放っている。チョイ役ながら、ヒデユキも必見である。

肝心のストーリーもギャグ多めの作風ながら、リョウとカオリの関係に焦点を当てた展開を始め、シリアスなパートも用意されたこれぞシティーハンターな仕上がり。構成もお約束を踏襲しつつ、海坊主が香水を狙う謎などの気になる要素を散りばめ、終盤に意外な形でそれを回収する巧みな計算が光るものにまとまっている。そして、エンディングテーマにはテレビアニメ版(第1シリーズ)のみならず、シティーハンターの代名詞として強く印象付けられているTM Networkの『Get Wild』を原曲そのままの形で採用。しかも、あの”止めて、引く”も見事に再現されている。本国フランス版は、その後にフランスのテレビアニメ版シティーハンターのテーマ曲が流れる構成になっているが、日本語版は終始、『Get Wild』のままという粋な計らいも。それもあって、原作やアニメ版が好きな人なら吹き替え版一択だ。

実写映画、それも海外製な点で、同じ週刊少年ジャンプ連載の某人気漫画の実写版が脳裏を過ぎるかもしれないが、本作はその例には沿わない、原作愛とフランス流のアレンジが絶妙なバランスでコラボレーションした傑作に完成されている。特に先も紹介した原作、アニメ版由来の要素の再現度合の高さは愛の深さを通り越した”重さ”を感じさせるほどで、どちらのファンも拍手喝采になってしまうほどの完成度になっている。
日本独自の吹き替え版も素晴らしく、山寺宏一演じるリョウはオリジナルたる神谷氏の面影と自身特有のカッコよさを含めた新たなイメージを確立している。そんな神谷氏も大変おいしい役どころになっており、僅かな出番を思わせない圧倒的な存在感が本編終了まで持続する。カオリ役の沢城みゆき、別役の伊倉一恵両氏も負けず劣らずで、後者は本当に本人が演じているのか疑ってしまうほど。そのほか、脇役ながらキャラクターの面白さもあって独自の存在感を放っているパンチョ役の浪川大輔、スキッピー役の多田野耀平の砕け気味な演技も要注目だ。

”もっこり”が事実上の解禁を果たした一部の演出、動物にちなんだネタなど、フランス流の毒もふんだんに盛り込まれているため、人によっては極端に好みの分かれるところもある。
しかし、その中身は漫画・アニメ原作の実写映画の成功例にして最高傑作と断言できるほどの出来。今後のシリーズ展開すら期待してしまう内容なので、まだ見ていない原作、アニメファンは要チェックだ。
◆ゲーム登場場面
国内ではPlayStation 4ダウンロードソフトとして展開されているSFレースゲーム『Wipeout Omega Collection(ワイプアウト オメガコレクション)』が登場。作中の序盤(22分頃)、キーパーソンであるスキッピーの自宅の回想シーンにて、彼の息子のジョルダンが遊んでいる姿が映し出される。これとセットで僅かだがDUAL SHOCK4、『仁王』のパッケージがさらにテーブルに置かれる形で登場している。なぜ、ワイプアウトがクローズアップされたのかと疑問に思うかもしれないが、考え始めると”もの凄いこと”に行き着くので止めておきましょう。それ以上いけない。
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