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≫ブラックサイト
■公開年月(日本) 2008年4月12日(※R15指定作品:15歳未満鑑賞禁止)
■監督 グレゴリー・ホブリット
■出演 ダイアン・レイン、ビリー・バーク、コリン・ハンクス、ジョセフ・クロス、メアリー・ベス・ハート、パーラ・ヘイニー=ジャーディン…(ほか)
■販売元 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
■定価 2381円(Blue-Ray:税別)、1886円(DVD:税別)
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 8/2/2015≫
◆DUAL SHOCK 3
◆Alexandra Lederman 7(アレキサンダーレーデルマン7)
◆ストーリー概略
FBI特別捜査官のジェニファー・マーシュとその相棒グリフィン・ダウドは、オレゴン州ポートランドの事務所でインターネット犯罪を取り締まっていた。

ある日、そんな彼女の元に『killwithme.com』なる不審なサイトの情報が舞い込んだ。早速そこにアクセスしてみると、虐待の影響で衰弱状態に陥り、死んでいく猫の様子がライブ中継されていた。IPアドレスなどの情報から、発信源が地元である事をジェニファーは突き止めるが、それ以上の情報は掴めず、止む無く強制閉鎖を実行。だが、直にサイトのコピーが現れる仕掛けが施されていた為、閉鎖は失敗に終わった。
それから一週間後、何の動きもなかったサイトに突如、縛り付けられた上半身裸の中年男性の映像がアップロードされ、ライブ中継が始まった。男性の胸元には血文字が刻まれているだけでなく、腕には血液抗凝固剤のヘパリンを流し込む点滴が付けられており、しかもそれには、サイトのアクセス数が上がるほど投与量が増えるという驚くべき仕掛けが施されていた。ジェニファーは地元の刑事ボックスと共に捜査に乗り出すが、噂が噂を呼び、サイトのアクセス数は増大。結果的に男性は出血多量で死亡してしまう。

その後、またしても新たな映像がサイトにアップロードされ、再び殺人のライブ中継が始まる。
一体、このサイトを運営する管理人は何者なのか。そして、その狙いとは…?
◆作品解説
ウィリアム・ディールの小説を原作としたサスペンス『真実の行方』、声を題材にしたタイムパラドックスを描いた『オーロラの彼方へ』、などで知られるグレゴリー・ホブリット監督によるサスペンス映画。2008年公開。主役のジェニファー役は『ホワイトハウスの陰謀』、『パーフェクトストーム』などで知られる女優、ダイアン・レイン。彼女と共に事件の捜査に当たるボックス刑事役に映画『トワイライト』シリーズのチャーリー・スワン役で知られるビリー・バーグ、そしてジェニファーの相棒グリフィン役をトム・ハンクスの子息であるコリン・ハンクスが演じている。

インターネットの生中継サイトで繰り広げられる非道な殺人ライブショーと、それを仕組んだサイト管理人を追うFBI捜査官の姿を描いた作品。全体的にシンプルなストーリーで、サスペンス映画の王道に則った構成になっているが、中継先で死の恐怖に晒される人達の命運を決定付けるのが、ほんの僅かでもサイトにアクセスできる世界中の人々の些細な好奇心という設定が異様な現実感を醸し出しており、見る者(特にインターネットを利用した事のある人に対して)に衝撃と深い問いかけを残す内容に仕上げられている。主演を務めたダイアン・レインも、インタビューにて今作ではインターネット上における、他人の不幸を笑う行為、危険なものに近付けない為の善意での行動に関する問いかけに重きを置いている事を述べている。
少しネタバレとなってしまうが、特にFBIの長官がテレビ中継を通して『killwithme.com』を見るなと警告した結果、アメリカ中でサイトにアクセスする人間が爆発的に増加してしまい、中継先で死の恐怖に晒されている被害者の死を早める失態を犯してしまう展開、FBI自身がサイトを見るなと警告をしたにも関わらず、事件の経過を見守るという点で彼らは中継を見続け、その動向に一喜一憂する様の二つは本編屈指の見所。ネットを利用する者なら、誰もがそのような行動を起こしてしまって当然と納得してしまうほどの現実味に溢れており、人間が持つ好奇心の恐ろしさ、脆さというものを嫌というほど実感させられるものになっている。
また、一連のシーンは「〇〇というサイトは危険だから、見るな!」と善意で警告する事の無意味さ、愚かさというものも克明に描いている点でも注目である。幾ら声高にその事を訴えたとしても、逆にサイトに対する関心を抱く人を生み出す事へ繋がり、「少しでもいいから見てみよう」という気持ちにさせ、結果的にサイト側のアクセス数を増大させてしまう。知名度自体を上げ、ありとあらゆる所に関心を持たせる入り口が出来上がってしまう。FBIが犯す失態はまさにその無意味さを描いており、ネット上で似たような行動に出た経験のある人ならば、心臓を抉られるような思いと自身が対象となるサイトの手助けに加担していたという事実に対し、後悔に苛まれるかもしれない。インターネット上では、どんなに対象となるサイト等が危険なものであっても、その名前を出した時点で知名度とアクセス数が上がってしまう。今作は2008年に劇場公開された映画だが、2015年現在の今、改めてみてみると、インターネット上の正義とは何なのか、そして善意の行動が良い結果を招かない事に関し、深く考えさせられる事だろう。そう言った善意の行動の無意味さ、インターネットの脆さを描いたエンディングでの「とある数字」も、先のシーンに並ぶ今作の見所の一つ。それこそが、この映画が何を伝えようとしたのかを意味している。同じ数字はオープニングにも出てくるのだが、それを是非、エンディングのと一緒に照らし合わせてみて頂きたい。それこそがネット上の正義の実態でもある。

また、殺人中継を行うというだけにその描写全般も過激。序盤の胸に傷をつけられ、血液抗凝固剤を点滴で流し込まれる男性は序の口も序の口。詳細は伏せるが、後になればなるほど、人の姿を保てなくなるまでに苦しめられるような、見るだけでもおぞましい拷問シーンが立て続けに出てくる。さすがに内臓が飛び散る、腕などが欠損すると言ったハード過ぎるものこそ無いが、そういう描写がある為に今作は年齢制限(R15指定)も付けられている。
故に万人には薦められない…特にあらすじにある通り、猫好きの方には心臓を抉り取られるかのような不快感を覚えるシーンもあるので尚更なのだが、インターネットが如何に人の好奇心を弄ぶ存在なのかというのを知るに当たってはこの上ないほど適した作品。荒削りな箇所もあるものの、近年のネットで起きてるブログ、ソーシャルネットワーク上での炎上系の問題に触れた事がある方なら、一度でも目を通す意義のある、テーマ性の強い秀作である。
◆ゲーム登場場面
デュアルショック3、『Alexandra Lederman 7(アレキサンダーレーデルマン7)』なるゲームが登場。前者はジェニファーの自宅にて登場、後者はその娘であるアニーが知人から頂いたゲームという事で、パソコンでプレイしている一幕がある。なお、『Alexandra Lederman 7』は海外限定で販売されている乗馬を題材とした日本未発売のゲーム。発売元はUBIソフト。なお、UBIソフトは今作に美術協力の形で参加している。
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