かつてゲーム会社でアニメーションパートの製作に従事した後、2002年に監督・脚本・演出・作画・美術・編集など、ほとんどの作業を一人で行ったアニメーション映画『ほしのこえ』で鮮烈なデビューを飾ったアニメーション作家にして映画監督、新海誠の第三作目となる劇場公開作品。2007年3月3日公開。正式名称は『秒速5センチメートル a chain of short stories about their distance』で、題意は「桜の花びらが舞い落ちる速度」から取られている。全部で三つの短編『桜花抄(おうかしょう)』、『コスモナウト』、『秒速5センチメートル』で構成されたストーリーで、遠野貴樹と篠原明里という少年と少女の初恋とその後の顛末を描く。前作に当たる『雲のむこう、約束の場所』同様、今作も新海氏は監督のほか、原作、脚本、絵コンテ、演出、美術監督と言った多数のパートを担当。また、キャラクターデザインは『七つの海のティコ』、『ナースエンジェルりりかSOS』等で原画スタッフとして携わった経験のある西村貴世氏が手掛けている。キャストも、遠野貴樹は映画作品をメインに活動している俳優の水橋研二、篠原明里には中学生時代をモデル兼タレントの近藤好美、第三篇の『秒速5センチメートル』における成人以降はファッションモデル兼タレントの尾上綾華、第二篇の『コスモナウト』にて登場する澄田花苗には今作公開当時はデビュー間もなく、2016年現在は『東京マグニチュード8.0』の小野沢未来役、『逆転裁判』シリーズの綾里真宵役で知られる花村怜美と言った面々が配役されている。その他のキャストに水野理紗、中村祐子、岩崎征実、内藤玲、下崎紘史ほか。