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≫干物妹!うまるちゃん
■放送局 TOKYO MX、朝日放送、AT-X、BS11
■放送時期 2015年7月9日~2015年9月28日(※全12話+OVA1話)
■原作 サンカクヘッド(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
■監督 太田雅彦
■シリーズ構成 あおしまたかし
■アニメーション製作 動画工房
■声の出演 田中あいみ、野島健児、影山灯、白石晴香、古川由利奈、安元洋貴、柿原徹也、小清水亜美…(ほか)
■販売元 東宝
■定価 6800円(Blue-Ray:税別)、5800円(DVD:税別)≪全6巻≫
▼登場ゲーム及びゲーム効果音出展先一覧 ≪Last Up Date : 12/11/2022≫
◆プレイステーション3
◆スーパーマリオブラザーズ1~3(ほか、マリオシリーズほぼ全般)
◆ストーリー概略
容姿端麗、成績優秀、スポーツ万能、誰もが憧れる完璧女子高生の土間うまる。
だが、彼女には兄のタイヘイしか知らない、もう一つの姿があった。家に帰ると同時に彼女は、アニメ、ゲーム、ネット、コーラ、ポテチなど、好きなものに明け暮れる干物な妹『干物妹(ひもうと)』と化してしまうのだ。そして今日もまた、家に帰ると同時に彼女のグータラな時間が始まる。そんな妹に振り回されるタイヘイ。やがてそこにクラスメイトの海老名、きりえ、シルフィンと言った面々も様々な形で介入し、うまるの最強で最高な日常が織り成されていくのだった…。
◆作品解説


集英社『週刊ヤングジャンプ』の2013年15号より連載されている、サンカクヘッドによるギャグ漫画を原作としたアニメ。外では才色兼備で完璧な女子高生だが、家ではアニメやゲームと言ったインドア趣味に明け暮れる土間うまると、その兄であるタイヘイの日常を描いた作品。2014年12月18日、ヤングジャンプ誌上にてアニメ化が発表され、2015年7月から9月まで、夏季の新番組としてTOKYO MX、朝日放送等で放送。また、ニコニコチャンネル、バンダイチャンネルを始めとするインターネットの配信も2015年7月15日より実施された。全12話。放送終了後には原作漫画7巻の特典として新作エピソードを収録したOVA(DVD)が発売されており、厳密には全13話構成となっている。
アニメーション製作は『ゆるゆり』シリーズ、『恋愛ラボ』等で知られる動画工房。スタッフも監督に太田雅彦、副監督に大隈孝晴、シリーズ構成にあおしまたかしと、代表作に挙げた作品と共通の面々で編成されている。但し、キャラクターデザインは『恋愛ラボ』でプロップデザインを務めた高野綾が担当している。また、キャストには、うまるを始めとするヒロイン勢に動画工房作品らしく、新人声優を中心に起用。そして兄のタイヘイ、その他のヒロインに関係した身内のキャラクターには野島健児、安元洋貴と言った実力派の面々を起用した、盤石の配役となっている。更にとあるストーリーには原作社のサンカクヘッド氏もゲストで出演。氏の自画像をモチーフとしたキャラクターも至る所に登場し、シュールな空気を構築している。

基本的に日常を描いたストーリーという事で、作中で大きな事件が起きると言った派手な展開はほとんど無いが、外と自宅で外見から性格まで一変させるうまるの個性的過ぎるキャラクター性もあり、非常にドタバタ感のある内容に仕上げられているのが特色。また、何処となく意味深な設定と、それにちなんだストーリー展開もあったりと、見ている者に様々な問いかけを残す要素が散りばめられているのも面白いところ。主にうまるとタイヘイの家族と実家に関する描写がそれで、何故、一人暮らしをしているタイヘイの元にうまるがやってきて同居を始めたのか?実家と両親はどうなっているのか?…など、どれもが作中で断片的にしか描かれないのもあって、色々と不穏なものを想像してしまうものがある。そして、実際にその不穏な想像が、実は本当ではないのかと暗示するかのようなシーンと演出も仕込まれているので、余計に関心を寄せてしまう。あくまでも、メインはうまるのグータラな日常で、それに周囲の登場人物達が振り回される様が描かれる楽し気なストーリーになっているのだが、いざ作中の設定を見てみると不穏な要素が姿を現し、同時に数多くの謎と疑問が噴出。そう言った隠された一面が存在する事からも、今作が単なるギャグ漫画ではない事を察してしまうはず。まさに見た目の可愛さ通りに見えて、実は踏み込むと結構ミステリアス…という、ヒロインのうまるの二面性を体現するかのような作りになっている。
見た目のビジュアルが強烈故、うまるばかりに目が行ってしまうが、脇を固めるキャラクター達も強烈。特にうまるに翻弄させられつつ、身内故の甘さを見せる兄のタイヘイの姿には、実際に妹を持つ兄である人なら、色々と共感してしまうものがあるかもしれない。そんな彼を演じる野島氏のツッコミの演技も素晴らしくハマっており、かつてNHKで放送されていたアニメ『学園戦記ムリョウ』の村田始役等でその手のキャラクターを演じた実績があるだけの安定感を見せる。そんなタイヘイの親友として登場する「ぼんば」こと本場猛も存在感抜群で、うまるとの絡みとそれに翻弄されるタイヘイの姿にはクスッとしてしまうものがあるかもしれない。演じているのが安元氏故にやたらと渋い声で喋る所も人によっては笑いのツボを押されるかもしれない。
ただ、声優陣に関して最も素晴らしい存在感を放っているのはうまるを演じる田中あいみ氏だったりする。通常の完璧女子高生モードから干物妹モード、更にはボーイッシュなゲーマーのUMRモードと、全ての容姿において全く違う声で演じ分けており、本当に同一人物が演じているのかと誰もがビックリすること請け合いの名演技を披露する。特に干物妹モードは本当に唯一無二の声で、その謎の中毒性には恐るべき新人声優が現れた事を思い知らされるだろう。そういう意味では、今作は動画工房作品特有の新人声優をメインキャラに据える配役が効果的に発揮されている作品かもしれない。

また、動画工房作品定番の強烈な印象を残すシーンとネタも健在。元々の原作がアニメやゲームを題材にしているというのもあり、随所においてそれにちなんだネタが炸裂する。特に顕著なのは9話。妄想の世界上であまりにもそのまんまな『逆転裁判』的な裁判が始まった…と思ったら、『ダンガンロンパ』的な展開になったり、その途上でタイヘイの顔がカイジみたいな事になり、演出までそれっぽくなるなど、元ネタを知る人ならばツッコミが追い付かない事になるかも。
また、うまるやシルフィンを始め、特定のキャラクターには奇妙な効果音が設定されているのだが、これもまた、言葉では表し難い味わいを醸し出している。特にシルフィンはその効果音の恩恵もあって、キャラクター的にも独特の存在感を放っているので必見である。擬人化したポケモンのチルタリスっぽいビジュアルも含めて。
少しネタ的に癖の強い所もあるほか、ストーリーがぶつ切り気味と言った難点もあるが、気軽に見れ、設定と演出、声優陣の演技の素晴らしさで強烈な印象も残す良作。少し変わった日常系アニメを見てみたい方にお薦めの作品だ。
◆ゲーム登場&効果音使用場面
ストーリーがストーリーだけに、実物ではないが、作中では様々なゲーム機、ゲームが自宅でのうまるの様子を描いたシーンで登場する。目立つところでは、プレイステーション3がある。
また、主題歌の『かくしん的☆めたまるふぉ~ぜっ!』にマリオシリーズのミス時の効果音が使用されている。更にこの主題歌が流れているシーンではモンスターハンターやマリオカート、更にはディズニーツムツムと言った様々なゲームを元ネタとしたパロディ映像も流れる(ちなみに効果音が流れるのは、ツムツムが映る場面)。
この模様はニコニコ動画で無料で閲覧できる一話とYoutubeで公式がアップロードしているPV、そしてAmazonプライムビデオ(※プライム会員になると、全話を見放題で視聴可能)で確認できるので、気になる方はご覧になってみて欲しい。



但し、この主題歌はもの凄い中毒性を秘めた歌になっているので、毒されないように御注意を…。
(ついでに言うと、このオープニングの映像自体も強烈である)

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