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対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~

■放送局:TOKYO MX、BS日テレ、MBS(ほか)
■配信サイト:バンダイチャンネル、Amazonプライムビデオ、U-NEXT、dアニメストア、ABEMA、ニコニコチャンネル(ほか)
■放送時期:2026年7月7日~2026年9月22日(※全12話)
■原作:江島絵理(『月刊コミックフラッパー』連載)
■監督:井畑翔太 / ■シリーズ構成:渡航 / ■アニメーション製作:ディオメディア
■声の出演:長谷川育美、市ノ瀬加那、千本木彩花、下地紫野、長縄まりあ、花守ゆみり、檜山修之、阿座上洋平、八代拓、日笠陽子、中井和哉、杉田智和、中野泰佑、アール(ほか)
■Blu-Ray販売元:KADOKAWA / ■定価:14,300円(Blu-Ray Box:税込)≪全3巻≫

【Latest Update :10/25/2026 | First Publication Date:10/25/2026】

登場ゲーム&ゲーム効果音


◆ストリートファイター6
◆ストリートファイターIV
◆ストリートファイターV
◆DUAL SHOCK 3
◆PlayStation 3
◆PlayStation 5
◆T.E.3 Arcade Stick
◆リアルアーケードPro.V HAYABUSA
◆ビクトリクス アーケードファイトスティック PS5 ホワイト
◆NOLVA Mechanical All-Button Arcade Controller
◆ビクトリクス レバーレス アーケードファイトスティック PS5 パープル
◆マッドキャッツ USB アーケードコントローラー E.G.O.
◆ファイティングエッジ刃 for PlayStation 4 / PC
◆ファイティングスティックα for PS5,PS4.PC
◆GUILTY GEAR -STRIVE-
◆鉄拳8

ストーリー概略


お嬢様学校の「黒美女子学院」へと入学した深月綾。
ある日、彼女は校内いち注目を集める同級生「白百合さま」こと夜絵美緒が無人の史料室でひとり、ゲーミングノートPCで対戦格闘ゲーム(格ゲー)に興じる場面を目撃する。校則により、ゲームが全面的に禁止されていることから、綾は美緒から口止めを懇願される。だが、綾の手のタコから同じ格ゲーマーであることを見抜かれ、美緒は綾に対戦を申し込む。

過去のとある出来事から格ゲーをしないことを心に誓っていた綾。しかし、美緒との対戦を通してその情熱を思い出し、やがて2人は退学のリスク覚悟のうえで隠れて格ゲーに興じるようになる。さらにそこに同じ寮の先輩で、隠れゲーマーでもあった一ノ瀬珠樹、犬井夕の2人も加わり、お嬢様たちの熱き格ゲーライフの火ぶたが切って落とされたのであった……。

作品解説


お嬢様学校の女子生徒たちが対戦格闘ゲームに熱中し、さまざまな出来事を通して関係を深めていく様子を描く作品。設定や組み合わせはコメディ的ながら、シリアスで(ほんのちょっぴり)百合な側面も持ち合わせているのが大きな特徴。原作は月刊漫画誌「コミックフラッパー」(KADOKAWA)にて2020年2月号より連載中(※単行本は2026年10月現在、既刊11巻)で、それをテレビアニメ化したのが本作となる。原作漫画の作者は『柚子森さん』(旧名『気のせいだと思います』)を代表作とする江島絵理(以下、敬称略)。前作にあたる『柚子森さん』の連載中、気分転換で格ゲーを始めたところドハマりし、それが本作を描くきっかけになったという経緯がある。
テレビアニメ版は2026年7月7日から同年9月22日まで、TOKYO MX、BS日テレ、MBSほかで放送された(全12話)。アニメーション制作は『侵略!イカ娘』『迷家-マヨイガ-』『聖女の魔力は万能です』などを手がけたディオメディア、監督は『ガーリッシュナンバー』『ドメスティックな彼女』『聖女の魔力は万能です』にて同じポジションを担った井畑翔太が務めた。シリーズ構成はライトノベル『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』(通称「俺ガイル」)を代表作とし、前述の『ガーリッシュナンバー』にもシリーズ構成で携わった作家の渡航が担当している。キャストに関しては、テレビアニメ化の前に制作されたPVとは異なる声優陣が配役されている。また、登場人物のひとりで大会実況者のフランベルジュには、『ストリートファイター6』にて自動実況機能のボイスを担当しているeスポーツキャスターのアールが起用されている。

ストーリーは、原作単行本の1巻から6巻までを描いており、1話から4話までがメインキャラクター4人の出会い、5話から最終12話までが「EVO Japan」のエピソードという構成。原作では7巻以降、4人にとっての転機とも言えるエピソードが展開されるのだが、アニメではそこに触れられていない。そのため、単体の作品として楽しめる作りとなっている。
また、原作で取り上げられる対戦格闘ゲームは『Iron Senpai 4』(通称π4)なる架空のゲームだが、このテレビアニメ版ではカプコンとのコラボレーションにより、本物の『ストリートファイター6』が登場する。原作漫画で登場人物たちがプレイしている模様はすべて同作に置き換えられており、リュウ、春麗、ガイルといったキャラクターの名前もそのまま使われ、実プレイ映像も流れるという非常に手の込んだ作りになっているのが大きな特徴。作中に登場するアーケードコントローラ(アケコン)をはじめとする機材面では、ホリ、MadCatz、RAZERなどの著名メーカーが協力。さらに、原作では架空の名前とされている大会の名称も、実在する「EVO Japan」に変更されている。もちろん、大会ロゴもそのまま登場するほか、当の「EVO Japan」もガッツリと制作協力で参加しているという盤石の布陣である。

この布陣のおかげか、半ば『ストリートファイター6』並びに「EVO Japan」が原作のアニメと錯覚してしまうような演出が随所で炸裂している。とりわけ本編後半の「EVO Japan」のエピソードは、前述したフランベルジュによる大会実況に加え、実在するプロゲーマーをモデルとしたキャラクターが数名登場し、至る場面で戦いの様子を語るシーンが挿入されることもあって、人によっては「これって本当に原作の漫画が存在する作品だよね?」と戸惑いやすくなっている。しかも、最終12話のある場面では、『ストリートファイター』を知る人はもちろん、その名を聞きかじっただけの人でも聞き覚えがありすぎる歌(それも原曲)が劇伴として使われる演出も。なんの歌であるかは実際に見てのお楽しみだが、直撃世代なら鳥肌が立つと同時に「そこまでやるか!」とツッコんでしまうかもしれない。

単純にひとつの格ゲーを題材にした作品としても、なぜ昨今、競技として注目を集めるのか、その戦いでいかなる駆け引きと心理戦が展開されるのかといった背景や深層にまで触れられており、手堅くまとまっている。「格ゲーは対戦相手あってこそのゲーム」という真理も、主に登場人物の過去エピソードを通して実感させられるだろう。綾をはじめ、登場人物たちが格ゲーに興じる背景にはヘビーな題材もある。それが描かれる場面ではムードも重くなるが、終始それ一辺倒という訳ではなく、ホドよくギャグやツッコミどころ満載の展開が混じるのもあって、肩にそれほど力を入れることなく楽しめる。原作もそうだが、登場人物たちがやたらと血を流しまくる(時に吐いたり、垂らす)のも笑いを誘う部分のひとつだ。特にアケコンへのヘッドアタックによる出血は、色んな意味でアウトとツッコみたくなること請け合い(※言うまでもないが、真似しちゃダメ)。

また、これも原作と同じだが、ニッチすぎる格ゲー用語が飛び交う台詞の数々には、経験者ならばニヤニヤしてしまうはず。逆に全く格ゲーを遊んだことのない人には「なんのこっちゃ」な感じになるが、最低限の解説が挿入される配慮もなされている。ただ、その解説も数フレームの勢いで消えてしまうため、ちゃんと理解するには根気がいる。台詞の意味も理解した上で見るならば、原作の単行本や、格ゲーの用語をまとめたWEBサイトやWikiを隣に開いた状態で見るのがいいかもしれない。

ややマニアックな雰囲気も漂うが、『ストリートファイター6』の実プレイ映像を交えた対戦の様子と、それを盛り上げる演出は迫力十分。ストーリー的にも登場人物の関係性などが分かりやすく、そこに不意に紛れ込んでくるギャグや百合要素が異彩を放つ仕上がりになっている。お嬢様と対戦格闘ゲームという異色の組み合わせに対するほんの少しの関心から視聴しても、十分満足できる内容になっているので、興味があればぜひ。『ストリートファイター6』のプレイヤーや、大会観戦を趣味としている人も必見である。ただ、分かる人なら物申したくなる瞬間も若干あったりする。そこは大人の視点で見届けましょう……。

ちなみに本作は2023年5月に映像配信サービス「Lemino」で実写ドラマ化もされている(2024年には読売テレビ系列で深夜枠ながら地上波放送もされた)。こちらも作中のゲームは『ストリートファイター』シリーズだが、『ストリートファイター6』発売の1か月前の配信だったことと、撮影時期の関係もあって、前作の『ストリートファイターV』となっている。

ゲーム登場&効果音使用場面


作品解説で言及したように、本作はカプコンとのコラボレーションによって『ストリートファイター6』の実プレイ映像が全編にわたって登場。1~4話はSteamのPC版だが、5話以降の「EVO Japan」のシーンではPlayStation 5版の実プレイ映像が使われている。細かいところだが、決定ボタンの表示を見ると機種の違いが分かりやすい。それにちなんで、5話以降の「EVO Japan」会場ではPlayStation 5本体も登場する。ゲーム自体の映像は流れないものの『GUILTY GEAR -STRIVE-』『鉄拳8』のアートワーク、名前も出てくる。

また、綾を始めとする登場人物たちの過去シーンでは『ストリートファイターIV』(ウルトラストリートファイターIV)、『ストリートファイターV』が登場。一部は実プレイ映像も流れるほか、当時の提供プラットフォームだったPlayStation 3とDUAL SHOCK 3のコントローラが映る瞬間がある。この『ストリートファイターIV』を遊ぶシーンでは「なんで小中学生がやっているんだ」となるかもしれないが、『ストリートファイターIV』……特に作中の家庭用ゲーム機版は(2026年現在から数えて)17年前の作品である。17年前だ。大事なことなので二度書いた。

ほかに機材協力として、実在するアーケードコントローラも数種登場している。詳細については上記のリスト参照。