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≫恋愛ラボ
■放送局 TBS系列(毎日放送、TBSテレビ、中部日本放送)、AT-X、BS-TBS
■放送時期 2013年7月5日~2013年9月28日(※全13話)
■原作 宮原るり(芳文社「まんがタイムスペシャル」連載)
■監督 太田雅彦
■シリーズ構成 あおしまたかし
■アニメーション製作 動画工房
■声の出演 沼倉愛美、赤崎千夏、水瀬いのり、佐倉綾音、大地葉……(ほか)
■販売元 アニプレックス
■定価 7000円(Blue-Ray:税別)、6000円(DVD:税別)≪全7巻≫
※1巻のみ、Blue-Ray:4000円(税別)、DVD:3000円(税別)
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 12/11/2022≫
◆スーパーマリオブラザーズ1~3(ほか、マリオシリーズほぼ全般)
◆ストーリー概略
由緒正しいお嬢様が通う事で有名な私立藤崎女子中学校、通称『藤女』。超名門の呼び名も高いこの中学校に通う二年生の倉橋莉子(リコ)は、校内の生徒達から素敵チョイワル系女子として知られ、『ワイルドの君』の名で呼ばれていた。

ある日、ひょんな事からリコは生徒会室へと出向くのだが、そこで彼女は彼女は「藤姫様」の名で、校内の生徒から憧れの的にされている生徒会長、真木夏緒(マキ)が、『恋愛研究』と題して抱き枕の『ダッキー』を抱え、キスの練習をしているという衝撃的な姿を目撃してしまう。
秘密を知られてしまったマキは翌日、「何もしなくていい」という条件付きでリコを会長補佐として(半ば強引に)任命。自らの恋愛研究に巻き込んでいくのであった……。
◆作品解説
芳文社『まんがタイムスペシャル』にて連載されている、宮原るりによる4コマ漫画を原作としたアニメ。主人公の倉橋莉子(リコ)と生徒会長の真木夏緒(マキ)を始めとする、生徒会に所属する五人の少女達が激しく斜め上に傾いた恋愛研究を実施したり、とあるきっかけを通じて知り合った他校の男子生徒達に実践し、ドタバタ劇を繰り広げる様を描く。
原作は2016年現在、『まんがタイムスペシャル』で連載されているが、始まりは『まんがホーム』で、その後『コミックエール!』にて連載されていたが、同誌の休刊により、2016年現在のスペシャルへと移籍したという経緯がある。
また、同じ作者が『まんがタイム』にて連載されていた、新米ライターの奮闘劇を描いた4コマ漫画『みそララ』と世界観を共有しており、そちらの登場人物及び、関係者が本作にも登場(逆に『みそララ』側にも本作のキャラクターが登場)するというクロスオーバー作品でもあったりする。なお、『恋愛ラボ』という題名の読みは『ラブラボ』である。そのままの読みで『れんあいラボ』では無い。御注意の程を。サヨ曰く、間違えると罰金刑らしい。

アニメ化は2012年11月21日に報じられ、翌年の2013年7月から9月まで、夏季の新番組としてMBS(TBS系列)の『アニメイズム』枠にて放送された。全13話。TBS系列では既に『ひだまりスケッチ』シリーズを始め、『まんがタイム』系列作品を原作としたアニメが幾つか放送されているが、MBSの『アニメイズム』枠では本作が初めてとなる。アニメーション製作は『ゆるゆり』シリーズ、『GJ部』で知られる動画工房。インスタッフも監督に太田雅彦、副監督に大隈孝晴、シリーズ構成にあおしまたかし、キャラクターデザインに中島千明と言った、ゆるゆりシリーズに参加していた面々が務めている。動画工房の作品の傾向としてある、新人声優をメインキャラクターに据える配役も健在だが、主要キャラクター五人が(その当時は)新人だったゆるゆりとは対照的に、本作は経験のあるキャストとミックスした編成になっている。

いわゆる日常系のアニメっぽい雰囲気だが、大筋は主人公のリコが奇天烈な恋愛研究を行う生徒会長のマキに翻弄されていく様を描いたコメディ全開のストーリー。思わず突っ込みを入れたくなる展開が矢継ぎ早に繰り広げられる、賑やかな内容になっている。ただ、終始コメディという訳ではなく、対立、すれ違いと言ったシリアスな展開も繰り広げられたりする、一筋縄ではいかぬ構成。しかし、登場キャラクター達の個性の強さもあって、重くなり過ぎず、軽くなり過ぎずの塩梅でまとめられているので、気軽に見れてしまう。そんな絶妙なバランスでまとめられた作風も特色の一つで、深夜枠のアニメながら、低年齢層(作中のキャラクターと同年齢の層)も普通に見耐え得る仕上がりになっている。
件の登場キャラクター達も、恋愛に対する価値観が斜め上の方向にズレまくってるマキ以外にも、ドジな眼鏡っ娘で(何故か)ハリセン作りを特技とする書記のスズ(棚橋鈴音)、夢見がちで眉毛の太い副会長のエノ(榎本結子)、凄まじい守銭奴で生徒会唯一の彼氏持ち且つ、声帯模写を特技とする会計のサヨ(水嶋沙依理)など、個性派揃い。
また、ストーリーが中盤付近になると男性キャラクターも数人登場し、リコを始めとする主要キャラクター達との掛け合いが繰り広げられていく。この男性キャラクターが集結して以降が本作の本番とも言え、彼らとの掛け合いを通じてメインキャラクター五人の隠された一面が明らかになったり、主要舞台である女子校内では見せないリアクションを取ったりなど、より一層ドタバタコメディ(ラブな要素あり)な展開になる。それ故、前半と後半とでテイストがまるで違うというのも本作の特色。男性キャラクターも男性キャラクターで主要キャラクターに負けず劣らずの個性の持ち主であるのに加え、声優のキャスティングもハマっていて、その会話を聞いているだけでもクスッとなってしまうものがある。また、そう言った男性キャラクターもしっかり登場し、物語に絡んでくるという事からも、本作が単に日常を描いただけの作品ではないという事を察せるはずだ。

他に見る者に強烈な印象を残すシーンも複数用意されている。代表的な所では、第4話の挿入歌「寝ても覚めてもランジェリー」、第10話の『となりのトロロさん』。中でも前者は有名下着メーカーを経営する(この時点で明らかにおかしいのだが)マキの父親が美声で歌うというだけあって破壊力抜群。その歌い手にして、父親を演じるのがヴィン・ディーゼルの吹き替え等で知られる声優の楠大典氏であるという事からも、ちょっとした本気とキャストの無駄遣いっぷりを感じられるかもしれない。更にもう一つ、10話にはゲストキャラクターとして、エノの兄が登場するのだが、これを演じるのが『銀魂』の坂田銀時役でお馴染みの杉田智和氏である。これが一体、何を意味するか、それは氏の事を調べれば大体察せるはずである……。そして、この兄のキャラクター自体も、このような作品にアルマジキものになっているので、「これって、恋愛を題材にした作品だよな……?学生の青春を描いているんだよな……?」と激しく困惑してしまうだろう。紹介を省いてしまったが、後者のトロロさん自体もSAN値がガクッと下がりそうなビジュアルをしている上、その背後で不気味な歌が流れたりなどと、本当にあちこちでやりたい放題。こう言った事からも、本作の只ならぬ凄味というのが大体伝わるかと思う。
『まんがタイム』系列の作品だから、どうせこれも大きな事件も起きたりしない作品なんでしょ、と先入観から思ってしまうかもしれない。だが、実際はバリバリのコメディで、男性キャラクターも普通に登場し、事件も起きる。故に、そんな先入観を抱いている方ほど、良い意味で裏切られること請け合い。騙されたと思って見てみて欲しい、侮り難き良作だ。



ちなみに本作はニコニコ動画、Amazonプライムビデオにて全話が配信されている。
いずれも1話のみ無料で、以降は有料(会員登録などが必須)となる。
どんな作品なのか、雰囲気を掴みたい際にどうぞ。
なお、本作の本番(にして真骨頂)は6話以降であるので念の為。
◆ゲーム効果音使用場面
第7話『いざ倉橋家!』で『スーパーマリオブラザーズ1~3』を始め、マリオシリーズお馴染みのジャンプ音が流れる。流れるのは本編後半のリコの自室シーン。サヨが部屋の本棚に立てられた『モテない女子はこれを読め!!』なる本を発見し、それを取り上げようとリコが小刻みにジャンプしながら迫った際に使用された。音自体は多少、アレンジがかかっているのだが、聞いた誰もがマリオのアレを連想してしまうだろう。

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