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≫イクシオンサーガDT
■放送局 テレビ東京、テレビ愛知、テレビ北海道、テレビせとうち、テレビ大阪、TVQ九州放送、AT-X
■放送時期 2011年7月7日~2011年12月22日(※全25話)
■原作 カプコン
■監督 / 音響監督 高松信司
■シリーズ構成・脚本 大和屋暁
■アニメーション製作 ブレインズ・ベース
■声の出演 江口拓也、三上枝織、中井和哉、福山潤、細谷佳正、神谷浩史、梶裕貴、杉田智和、斎賀みつき、鈴村健一、遊佐浩二、永井一郎…(ほか)
■販売元 ポニーキャニオン
■定価 6800円(Blue-Ray:税別)、5800円(DVD:税別)≪全8巻≫
DT Box:15000円(Blue-Ray:税別)、12000円(DVD:税別)≪上・下巻≫
▼登場ゲーム一覧 ≪Last Up Date : 12/11/2022≫
◆ファミリーコンピュータ
◆PCエンジン
◆メガドライブ(メガCD装着)
◆バーチャルボーイ
◆3DO REAL
◆PCエンジン Duo
◆セガサターン
◆ドリームキャスト
◆ピピンアットマーク
◆PC-FX
◆スーパー32X
◆NEO-GEO
◆スーパーファミコン
◆プレイステーション
◆NINTENDO64
◆ゲームボーイ(初代)
◆ワンダースワン
◆プレイステーション・ポータブル(ピアノブラック)
◆ニンテンドーDS Lite(アイスブルー)
◆ニンテンドーDSi(レッド)
◆ニンテンドー3DS(エメラルドグリーン)
◆Wii
◆ストーリー概略
ゲームが大好きな少年・火風紺(ほかぜ こん)はある日、自宅でオンラインゲームをプレイしている最中、見知らぬ女性にネット電話を介して話しかけられる。女性の言葉につられ、それに応じた紺だったが、その瞬間、「アルマ」という神秘のエネルギーが万物に宿る異世界「ミラ」へと飛ばされてしまう。

同じ頃、セントピリア帝国第36皇女エカルラートは護衛の騎士と侍女に守られながら、婚礼の為に都を目指していたが、政略結婚でもあるそれを阻もうとする敵対勢力に追撃され、絶体絶命の危機に陥っていた。そんな最中、空より落ちてきた紺が敵の主将を直撃。敵の兵士達は突然の戦況一変に困惑し、その隙を突いて姫一行は紺を連れて撤退した。

かくして偶然にも帝国の姫を助けてしまった紺は、騎士に任命されることに。行き先も分からず、元の世界に帰る為のヒントを探りたい紺は止む無く姫一行に同行し、敵対勢力の脅威に晒されながら都を目指すのだった。
◆作品解説
最大16人で戦うカプコン制作のチーム対戦オンラインアクションRPG『イクシオンサーガ』を原作とした、新感覚・異世界アクションアニメ。ゲームの販促を目的に制作された作品で、放送開始もサービス開始時期と同じ2012年10月より、テレビ東京系列の毎週日曜日深夜1時5分から午前1時35分の枠で放送された。全25話。
アニメーション制作は『神様ドォルズ』、『輪るピングドラム』などを手掛けたブレインズ・ベース。監督兼音響監督は高松信司、シリーズ構成兼脚本は大和屋暁が担当した。制作スタッフはアニメ版『銀魂』に携わったメンバーが多く名を連ねていて、高松氏、大和屋氏の他にも竹内進二(キャラクターデザイン)、瀬山武司(編集)、横手美智子(脚本)と言った方々が参加している。また、オープニング主題歌並びにエンディングテーマはビジュアル系エアーバンド「ゴールデンボンバー」と本作キャスト陣のスペシャルコラボで、オープニング側は主人公勢(ヒメ御一行)、エンディング側は敵対組織(インコグニート)という形の割り振りになっている。ちなみに主題歌、エンディングテーマは共にゴールデンボンバーが過去にリリースした曲の歌詞を本作用にアレンジしたもの。色々と危険(?)な香り漂うものになっているので、詳細は省く。

キャスト陣に関しても中井和哉、杉田智和、鈴村健一、遊佐浩二と言った『銀魂』の出演者が複数人参加している。いずれも脇役で、主人公の火風紺は『GOSICK -ゴシック-』の久城一弥役、『イナズマイレブンGO』の雨宮太陽役を務めた江口拓也が担当。ヒロインのヒメこと、エカルラート役は『ゆるゆり』の赤座あかり役で知られる三上枝織、もう一人のヒロインでヒメの侍女マリアンデール役は『コードギアス 反逆のルルーシュ』のルルーシュ・ランペルージ役などで知られる福山潤が演じている。後者の配役に「え?」と思ったかもしれないが、断じて間違いなどではない。詳細はこの後すぐ。

舞台となるのはゲーム版にも登場する「セントピリア帝国」が「ジャグラバーク連邦」と「ラガルト皇国」に分裂する前の時代。自宅でオンラインゲームを楽しんでいた主人公の火風紺が謎の女の手によって異世界「ミラ」へと飛ばされてしまい、そこで出会ったヒメこと皇女エカルラート一行と共に彼女達を突け狙う「ウルガ教団」の武力組織「インコグニート」の追撃を交わしながら都を目指すというストーリーになっている。かの有名な『西遊記』をモチーフとした、王道の異世界冒険活劇……のように見えるのだが。主人公一行の護衛役である侍女マリアンデールは男性(※福山氏が配役されている理由はこれ)、敵対するインコグニートの隊長の名前はエレクパイル・デュカキス、通称EDというアレ過ぎるものであるに加え、序盤に彼自身が本当にその通称通りの身体になってしまう驚天動地の展開もあったりなど、深夜アニメならではの危険なネタてんこ盛りの内容になっている。主人公の紺にしても、件のEDなどから「DT」の通称で呼ばれるようになるのだが、その言葉が何を連想するのかは分かる人には分かる通り。ちなみに正確には「Dimension Transfer」の略称であって、連想した言葉を示す訳ではない。しかし、本編にはそれを連想させるような台詞を口走る場面もあったりするので、そんな認識を持ってしまうのも避けられず。まさにやりたい放題、おふざけ放題。そして、このストーリー上のネタからも明らかな通り、本作は王道の冒険活劇と見せかけたコテコテのギャグアニメというのが真の正体である。ある意味、『銀魂』のスタッフが参加しているなりの「らしさ」が現れた作りと言える。
なお、ゲーム版の方はギャグなどとは無縁のシリアスなストーリーである。何故、アニメ版がこのような原作崩壊の一言で済まされない内容になったのかは下記のインタビューにて詳しく語られている。気になる方はご一読あれ。

≫2か月間ものオープンβテストが始まる「イクシオン サーガ」――これまでの開発/運営と今後の展望を,カプコンの杉浦一徳氏と早川泰彦氏に聞いてきた(4Gamer.net)

ストーリーもさることながら、登場人物達にもまともなキャラクターがほぼ居ないに等しく、一見、真面目に見える人物が実はとんでもない性癖を抱えていると言ったイメージ崩壊がお決まりのように起こる。名前も突っ込み所満載で、一部キャラクターには演じている声優の名前が当てられている。エピソードごとに登場するゲストキャラクター達にも著作権的にギリギリ過ぎる者がいて、特に17話で登場する少年には色んな意味でスタッフの「銀魂イズム」を痛感させられること請け合い。同時に本作が何を原作としたアニメなのか分からなくなってしまうだろう。

こんな(いい意味で)惨憺たる有様の本作だが、アニメとしての出来は良好で、特にさりげなく伏線を貼って、終盤にてしっかり且つ、視聴者の予想を裏切る形で回収する脚本は腹が立つぐらいに完成度が高い(笑)。カット割り、劇伴と言った演出も素晴らしく、特に後者はアニメのみならずゲームでも幅広く活躍する音楽クリエイターチーム「Elements Garden(エレメンツ・ガーデン)」が担当しているのもあって、盛り上げりのツボを見事に押さえている。声優陣の演技も素晴らしく、特にマリアンデール演じる福山氏の違和感皆無の女性声には誰もが強烈な印象を残すこと間違いなし。脇役ながら八奈見乗児、大塚周夫、永井一郎と言った重鎮がゲストで参加される展開も必見だ。
序盤こそ勢いがあるものの、中盤以降からメインストーリーに無関係の蛇足エピソードが挟まったり、激しく滑ったネタが繰り返されるなど、グダグダになってしまっている所もあり、惜しくも傑作には行き届かずな出来に落ち着いてしまっているが、数多くの(いい意味で)ふざけまくりの設定、深夜アニメならではのやりたい放題感が光る作品。オンラインゲームの販促作品という点で、原作のゲームを知らない人にはハードルの高さを感じてしまうかもしれないが、別にゲームの事を知らなくても普通に楽しめる、むしろ知らない方が精神衛生上いいかもしれない稀有な内容になっているので、機会があったら視聴してみて頂きたい。アニメ版銀魂を髣髴とさせる要素も豊富なので、同作が好きな方々にもお薦めだ。

なお、本作はその事前の印象からかけ離れた内容で大きな話題を呼び、ゲームの方の認知度も大きく高めた……のだが、残念ながらユーザー数を増やす結果には至らず、2015年11月30日にサービス終了となった。原作からかけ離れた作品にしてしまったが故の結果、と見るべきかどうかは分からない。
◆ゲーム登場場面
第8話『SM(Shining Master)』にて、多数のゲーム機が登場。本編冒頭、紺が村人達に人類誕生の歴史を語る場面にて、それらが(何故か)一挙に登場した。どのようなゲーム機が登場したのかは上記の一覧を御覧ください。(※もしかしたら抜けがあるかもしれません。また、実物が登場しなかったゲーム機も幾つかあります。)

また実物は出なかったが、このエピソードでは『●をみる人』などのク●ゲーとしてユーザーの間で語り継がれているタイトルの名が背景に登場している。例によって、どんなゲームが登場したのかは実際に本編で御確認を。

▼備考リンク:ニコニコチャンネル配信版(※有料)

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