▼ゼルドナーエックス2~ディフィニティブ・エディション~(PlayStation Store:商品&購入ページ)
年末年始のセールで1000円以下になっていたのを機に購入。
そして、全ステージクリア。
オリジナルの『ゼルドナーエックス2 ファイナルプロトタイプ(&ラストチャプター)』はPS3、PSVita版でプレイ済み。事実上の3周目だったけど、相も変わらず”ゆるり”と楽しめる良作シューティングゲームだった。
この『ゼルドナーエックス2』の最も大きな特色を挙げるなら、プレイスタイルに応じて揺れ動く難易度だろう。敵を倒しそびれて画面外に逃がしてしまったり、被弾すると画面右上の「ランクゲージ」が減少。敵の弾幕が薄くなる。反面、一体も残らず敵を倒し、被弾も抑え込んで「ランクゲージ」が最高に達すると、敵の弾幕が厚くなるなど激しい展開になる。併せてスコア倍率も上がり、高得点を叩き出せるようになる。
しかし、当然それを維持するには高度なテクニックと高い集中力が必須。
そんな被弾徹底回避の本気スタイル、肩の力を抜いて被弾オールOKの気楽スタイルとでほぼ違う展開になるのが楽しい。ダメージ制なので、1発被弾した所で自機が墜ちる心配もないし、ピンチに陥ると「バーサーカーモード」が起動。その間、弾除けに徹底すると自機の耐久力が一定値まで回復するので(被弾するとリセット)、やりようによっては残機をひとつも失わずステージクリアを達成できる。さらにステージセレクト機能が標準で備わっているため、途中からの再開も容易。再開時にも自機のショットをパワーアップするアイテムがステージ開始時に大量に散らばるので、いきなり不利な状態で始まる心配がない。もちろん、難易度選択機能もあり、低難易度「ビギナー」でも最終ステージ及びベストなエンディングに到達可能。(しかも、このPS4版はPS3、Vita版と違って最終3ステージがあらかじめ収録されているので、追加課金も発生しない)
改めて遊んでみて、本当に万人ウケしやすいシューティングゲームだと思う。システム的には真新しさはないが、王道の良さを素直に突き詰めた出来。ゆえに安心して遊べる。ダメージ制、ステージセレクト機能(及びステージクリア時のセーブ)、それによる通しプレイの必要なしなど、緊張感を緩和させる工夫が凝らされているのも大きい。
バランス調整も前述の変動する特徴はあれど適切。ビギナーでも終始、楽々という訳ではなく、自機に搭載された3種の武器の使い分け、弾幕や障害物の回避などが求められるし、ボスもトレイラーの売り文句通り”タフ”。遊び応えは十分にある。ただ、ダメージ制なのである程度の無茶(強行突破)も通るなど、若干の大雑把な戦術も許した設計。このような”ゆるさ”があるのが素敵というか、過度に肩肘張らず遊べる作りを実現している。
インディーゲーム界隈でも昔ながらのシューティングゲームは多数出ているけど、本作のような大らかさを備えた作品というのは珍しい方だと思う。
作品自体、もう7年以上前のものではあるけど、この独特の”ゆるさ”の魅力は色褪せていない印象。
本当に薦めやすいゲームだな、と思った。
とは言え、幾ら変動する特徴はあれど、弾幕を潜り抜ける場面はそこそこあるので、シューティングが苦手な人には若干、抵抗を感じやすい所もある。
また、改めて気になったというか、「やっぱりここがなぁ……」と感じた箇所も。『ダライアス』への影響が強く現れた地形要素少なめ、かつ起伏が弱いステージ構成(※終盤の4ステージを除く)、売り文句通り”タフ”なボス、やや固めの雑魚敵がその象徴。特にボス、ステージ2のはさすがにしぶとくし過ぎ。というか、こんな倒すの時間かかるボスだったかと少しビックリした。(大体5~8分ほどかかる)
そして、当時も思った「シークレットキー」集め。これをステージ1~6で4つ集めないと、ステージ7以降が遊べないのだが、単純に面倒。しかも、一部のキーにはランクをB以上まで上げないと出現しないものもあるため、必然的に腰を据えたプレイが必須になってしまう。加えて1ステージの攻略に要する時間も長めなので、再トライが結構重い。ステージセレクト機能のおかげもあって、途中からやり直せる設計になっているのがせめてもの救いだけど、これは正直、止めて欲しかったように思う。せめて集めるにしても3つにして欲しかったというか。折角、緩く遊べるバランスにしているのに、こうした所で人を選ぶようにしてしまっているのは勿体ないと感じてしまった。まあ、この要素のおかげで何度もステージをプレイすることで、自分の腕前が上達していく過程を楽しめるという魅力もあるのだが。やり込む面白さを教えてくれるというか。ただ、結果的に面倒さが勝る。
他に当時は派手と感じた演出(爆発など)も、改めて見直すと表現が雑に感じたり、ショットを撃ち込んだ際にも音が鳴らないので手応えがイマイチなど、今回プレイして気付かされた点も幾つかあった。あとはローカライズか。PS4版になって一新されるのかと思ったら、PS3、Vita版と大差なしでズッコケです。まあ、ストーリーは二の次みたいな内容なので、そんな気にするほどでもないけど。
ただ、新規に解禁されたコンテンツに対して「NEW」じゃなく、「新しい」と表記するのは勘弁願いたかったな……(笑)。(改めて見直してもダサすぎる)
アクの強さ、メカデザイン全般の古臭さなどで人を選ぶ所もあるが、見た目に反してシューティングゲームとしてのハードルは低めで、緩く遊びたい人から本腰入れて遊びたい人まで幅広くお薦めできる1本。
先も触れたが、PS4版は過去のPS3、Vita版と違って追加DLC「ラストチャプター」をあらかじめ収録しており、価格も1000円とお手頃になっている。また、ギャラリーモードなどの新要素も収録され、僅かにボリュームも拡張されている(本編だけでも全ステージクリアに4~5時間は要する程度に密度は濃い)。これから本作をプレイするなら、圧倒的にPS4版一択。十分に遊び込める1本です。興味があればぜひ。
それにしてもこのゲーム、デジタル版のサウンドトラックは販売されないのか。一応、「ラストチャプター」のサウンドトラックはBandcampで販売中だけど、本編の方がどこにもない。
結構、耳に残る曲が多いので(特にステージ2)、欲しいんだけどな……。