【ゲーム回想録2024】:新作&旧作ベスト5ほか

投稿者: | 2025-01-12

2024年に発売された新作ゲームの個人的なベスト5とあれやこれや。

2023年は久々に年明け前に記事を書いて出すことができたけど、2024年はあれこれ重なった都合で年明け後になった。そのため、今後も余裕があったら年内、無かったら年明けみたいな感じにしていければ。とは言え、2022年みたいに2月にまとめるみたいなのは絶対無し。あれは当時、状況がイレギュラーすぎたのもあったが……。

イレギュラーと言えば、2024年は3月に業務外のゲーム時間をまったく確保できず、大きな空白が生じるというヤバい時期があった。辛うじて、大量の新作を長期にわたって積んでしまう事態は避けられたが……それでも2023年よりは少し増えた。あの空白が生じた背景には、自分自身のスケジュール見誤りも背景にあっただけに、今年は繰り返さないように厳重警戒で行きたい。
年内購入の新作にしても、引き続き「鉄は熱いうちに打て」で取りかかるようにします……。

そんな2024年は、当初の予定にない新作を購入する機会の多い1年だった。
それゆえ、マイゲームオブザイヤーも予定外だったタイトルから選出された。

『FINAL FANTASY VII REBIRTH(ファイナルファンタジーVII リバース)』(PS5)だ。

当初の目論見では、2023年の「ニンテンドーeショップ」のサービス終了で一挙買いしたWii Uバーチャルコンソール版のシリーズ6作を終えたあと、オリジナルの『ファイナルファンタジーVII』およびリメイク版に触れるつもりだった。しかし、その2023年末に優先止むなしの状況(このことがあった)になり、リメイク版を先行。それが面白く、続きが気になった流れから買うに至ってしまった。
本格的なスタートはだいぶ遅かったのだが、本当に度肝を抜かれる大作だった。特に探索周りの物量。一通り遊び尽くすだけでも数百時間オーバー不可避な規模で圧巻だった。2作目でこんなに盛り込んじゃって、最後の完結編はどうするんだと、本気で心配になったほど。その膨大な要素が盛り込まれたフィールドマップも、オープンワールドのように見えて、実はスーパーファミコンや初代PlayStation時代のRPGっぽい明確な導線が存在するという、新旧のハイブリッドな作りになっていたのが面白かった。(ちょいとネタバレだけど)終盤、ある場所を通して全エリアが繋がる展開も、初代『ファイナルファンタジー』の手法を現代の技術を用いて表現していたのが印象的。この資産を活用した新しい『ファイナルファンタジー』を見てみたいと思わせる、可能性に満ちた出来だったように思う。
ほかの戦闘システム、ミニゲーム、ストーリー周りも総じて好印象。正直、ストーリーは未完という点で個人的に大きな減点要素になるのだが、続きが保証されているのと、シリアスとシュールギャグが入り混じる、風邪ひくレベルで温度差激しめの展開に感情を引っかき回されたことから許す(笑)。とは言え、設定面での複雑さが増した終盤の展開と、所々不可解なキャラクターの動き(特にヴィンセント)があったの気になったが。巷でも言われている膨大なミニゲームも、一部をトロフィーと関連付けてしまったのはどうかと感じた。あと、コレル山とゴンガガエリアはいささか進行面での視認性で極端な迷いやすさが生じていたように思う……。
そういった粗削りな箇所も見られたけど、総合的にはこれぞ大作と言い切れる満足感と物量で見せられた1本だった。個人的にも今まで断片的にしかネタを知らなかった『ファイナルファンタジーVII』の世界をオリジナル版込みで深く知れたこと、なぜ今も語り草にされているのかの背景を知れただけでも、遊んだ甲斐がありすぎた作品。よって、文句なしのマイゲームオブザイヤー選出になった。本当にここからの完結編が心配だけど、何よりもまずは無事発売されることを祈る。そして、ビンタバトルはちゃんと残りますように(願望)。

そんな『FF7 リバース』に続いたベストタイトル4本は以下になった。

■四角い地球に再びシカク現る!? デジボク地球防衛軍2(NS)
「なぜ俺は今までこれを遊ばなかったんだ……!?」と、強烈な後悔の念に襲われた前作『デジボク地球防衛軍』の出来に感銘を受け、急きょ購入を決断した続編。ブラザーに代表される前作のシステムはそのままに、操作性の改良と便利機能の追加、全体的なボリュームアップ、そしてストーリーの強化まで図った見事な正統進化系の続編にして傑作だった。特にボリュームアップについてはミッション数が100以上と、本家『地球防衛軍』シリーズに匹敵する物量になったが、テンポ重視の設計と山あり谷ありのストーリー展開もあって間延び感はなく、最後まで楽しく遊び通すことができた。肝心のストーリーもボーイミーツガールの王道を地で行く、素晴らしく見応えのある内容。あと、ミッション45とミッション65は(ネタ的に)アブなすぎです。前者、海外版も台詞はそのままだったりするのか……?
ほかに前作でもシリーズに新たな可能性を切り開いたボクセルグラフィックは健在で、心なしか視認性を向上させる改良が施されていたのも好印象。また、これほど表現的に派手だと、Switch版の処理速度は重めか……と思いきや、全然気にならないレベルどころか、前作よりも快適性が上がっていて驚いた。それもあってか、総プレイ時間も前作超えを果たすなど、結構やり込んでしまった。
ブラザーの面々と各セリフが前作の流用で新鮮味は薄かったり、色違いばかりで水増し感が強めなのは気になった。あと、救出対象のブラザーの補足範囲が狭すぎる……部分については、後発のアップデートで拡張され、気にならなくなりました。おかげで、水増しと流用の所を除けば隙なしです。前作をプレイしたのも2024年だったが、本当にもっと早く遊ぶんだったと痛感。逆にこのタイミングで遊べたからこそ、続編をスルーせずに済んだ事実もあるが……。とにもかくにも、シリーズ最高のきょうだいとも言える素敵な作品だった。3作目があるのかは分からないが、ぜひ出してほしい。本家とは異なる道を歩むシリーズとして、今後も発展し続けてくれ!

■不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録(NS)
個人的には『不思議のダンジョン2 風来のシレン』(初代シレン)以来、29年ぶり(!!)に購入した新作。そんな大きなブランクがある人間にはとてもありがたい、初代への原点回帰に特化した作りが心に染みわたる傑作だった。
中でも凄く良かったのが、操作性とインターフェース周りの群を抜いた快適さ。正直、これを体験してしまったら、前作以前のシリーズ作に遡るのが大変になるのではと思ってしまうほど、動かしていてストレスを感じさせない仕上がりだった。個人的に特に刺さったのが歩行速度設定で、「速い」ならアクションゲームのような感覚で遊べるのが素敵すぎる。ZRボタンに設けられた「便利ショートカット」もその名に違わぬ便利さ。これからの『不思議のダンジョン』シリーズに常備してほしいと思ってしまうほど素晴らしい機能だった。
難易度も相変わらず、油断すれば序盤でマムルにやられてしまうこともあり得る手ごわさ。しかし、初代ではレアアイテムだった「復活の草」「無敵草」が手に入りやすくなっており、多少ながら心に余裕を持って取り組めるバランスになっていたのは、久々にシレンへと復帰した身にはありがたかった。ゲームオーバーを繰り返すたび、仲間に合成といった便利機能が解禁され、より難易度が下がっていく要素も健在で、だいぶその影響が強く出るようになっていたのも然り。逆にメインストーリー以外のダンジョンは容赦なしのバランスで、上手くすみ分けられている。まあ、「ヤマカガシ峠」はさすがに……と思ったが(汗)。
ほかにグラフィックはどこかロクヨンっぽくもある古風なテイストだが、それが功を奏する形で全体的な処理の速さを実現させていたのも良かった。近頃、Switchのスペック以上のことをやって快適性を犠牲にしたタイトルをいくつか見てきたのもあってか、遊びやすさ重視に振り切った本作のスタンスは凄く好感が持てた。定期的なアップデートと追加コンテンツの販売で、さらなる発展を見せたのも嬉しい(今は一段落したようだが)。とは言え、自分の方は未だ追加コンテンツには手付かずだったり……。
本作は当初から購入を予定していたタイトルだったが、久々のシレンゆえの怖さはあった。だが、作りが初代ベースだったのもあってすぐに感覚を取り戻し、ついにはダウンロード版も買ってしまうほどハマり込むという、復帰の一作としてはこれ以上ない仕上がりだった。今はプレイを中断しているけど、頃合いを見てアップデート分も触れ直したい。追加コンテンツに関しては……予算との相談の上で。

■ゼルダの伝説 知恵のかりもの(NS)
シリーズ生誕37年目にして、ついに本物の『ゼルダの伝説』誕生。3Dゼルダの人気が爆発的に高まった昨今、もう見下ろし型こと2Dゼルダは役割を終える時なのかとヒッソリ思っていたが、このアプローチはまさに「その手があったか!」のひと言。高い段差を登る手段にする、近接攻撃用の武器代わりにする、果ては宙に浮かんで難所をスルーするための移動手段にする……などなど。豊富な「カリモノ」が演出する多彩な攻略法の数々は、エンディングまでやり通した後も別の使い方を考えたくなる面白さと魅力に富んでいた。
最近の3Dゼルダと違い、ストーリーは本筋の流れが用意された構成だったが、細かい順序はプレイヤー側が好きに決められるという『神々のトライフォース2』チックな自由度が確立されていたのも印象的。探索周りも今回はワープポイントがダンジョンも含めて非常に多く、快適性重視で設計されていて素晴らしかった。謎解きもカリモノによって多彩な解法を編み出せる魅力を描きつつ、2Dゼルダらしい考え方も試される絶妙な手ごわさが表現されていたのも見事。ボリュームもメインストーリーだけならホドよく、適度な規模に収まっていたのもありがたかった。
ゼルダを主人公に据えたストーリーも、いつものリンクだと描けないイベントなどもあって、独自の魅力を出していた。中でも終盤のラスボス戦までに至る流れは、とりわけ印象に残りやすい場面になっていたように思う。
そうも2Dゼルダの新境地を開拓した作りは良かったものの、カリモノが増えてくると選択時の手間が凄く増えるのがちょっとストレス。ソート周りの配慮が不十分なのも凄く気になった。「メガドン」など、一部、カリモノにできるか否か見分けがつきにくいものと、空中浮遊のアクションに関する解説が抜け落ちていたのもまた然り。
あとは欲を言えば、イベントの会話劇も3Dゼルダを踏襲した攻めたものを見てみたかったが、その辺は次に期待ということで。次もまた、ゼルダが主人公だったりするのか、リンクに戻るのか。正直、ゼルダはまだ突き詰めてみる必要があるテーマ(キャラクター)と思うから、しばらくはゼルダが主人公の2D新作を遊んでみたいかも。時系列の設定的に難しい部分もあるかもしれないが……待ってますぞ。

■ファミコン探偵倶楽部 笑み男(NS)
「2024年のゲーム絡みのニュースで、最も驚かされた話題は?」と聞かれたら、真っ先に挙げるタイトル。2024年の予定外の新作の中では群を抜く存在感を放つ1本だった。まさか『ファミ探』の新作が遊べる日が来るとは!
しかも、ハチャメチャに攻めた内容!問題作、怪作というに相応しい異色の『ファミ探』で、とりわけ終盤に明かされる「笑み男」の真相は演出も含め、放心状態になるほどの衝撃を受けた。任天堂のゲームで、こんな重々しい題材を扱うとは……!近頃の万人向けのイメージを払しょくする……それこそ1980年代後期を思わせる“なんでもやっちゃう任天堂”を堪能できたのは、個人的には感無量の極みだった。
事実上の前作たる、リメイク版2作からの発展が見られたのも良かった。具体的にはキーレスポンスの改良、ハイライト機能の追加とメモ機能の強化、そして音声同期演出の導入。特に音声同期演出は個人的に待望で、実装されたのは凄く嬉しかった。あゆみ視点で展開されるパートの導入、推理イベントにおける選択要素の増加も良い試み。ストーリーも構成が過去2作とだいぶ違うが、登場人物の個性の強さは相変わらず。今回は特に神原刑事と笑子ママ、それから18年前の事件で最初の犠牲者となった少女の3名が印象的だった。被害者の少女については、「笑み男」誕生の真相で結構出番があったのにもビックリ。だが、一番ビックリしたのは彼女の新聞写真。その不気味なデザインを見て、思わず背中がゾッとすると同時に「これぞファミ探!」と感動したとか。
とは言え、手放しに褒めない点も多くあり、特に終章に入るまでの流れは一考の余地があった。神原刑事と車で移動するシーンの冗長さ、徐々にウザさが増す福山(ばさっち)のやり取りも。あと、終盤のアパートで出てくる老人はシナリオ担当的に面白さを狙ってやったようだけど、個人的には全然笑えなかった。ああいうネタは今回限りにしてほしい。あとは巷で議論を呼んでいる某演出だけど、個人的には全然アリ(賛)の側。あれなら同じMAGES.開発で、似た演出を終盤に入れた『パンチライン』の方が手法的に否だよ……(汗)。
賛否が分かれると公言されていたように、過去作みたいに手放しに薦められる作品とは言いがたかったが、それでも体験して良かったと思える満足度の高い作品だった。
今後も時折遊んでは、なぜ「笑み男」は生まれてしまったのかを考えたく思う。そして、制作面での後継者が見つかった『ファミ探』にさらなる未来があることを!『雪に消えた過去』のリメイクも忘れんといてください。

ほかにベスト5外になったが、凄く面白かった次点5タイトル。

■Victory Heat Rally(PC/NS)
ドリフトの気持ちよさと、冷や汗モノのスピード感に振り切った爽快レースゲーム。ドット絵のレーシングカーがローポリゴンの3Dサーキットを駆ける過去と現在が入り混じったビジュアル、ノリノリの音楽も素晴らしい出来。アイテム、ダッシュバンなどの仕掛けがなく、ドライビングテクニックが勝敗のカギを握るゲームバランスも良かった。

■マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!(NS)
ロード時間の増大に伴う快適性低下とテンポの悪化は擁護不能。しかし、長編作品へと正しく進歩したストーリー構成と変化に富んだマップ、新システム「バトルプラグ」などの好印象な部分が多く、最終的にはシリーズでも3本の指に入るお気に入りになった。ドット絵時代の特色を忠実に再現したグラフィックもお見事。

■DEVIL BLADE REBOOT(PC)
鉄と炎の匂いを感じさせる重厚な見た目ながら、遊びやすさに振り切ったゲームシステムと間口の広い難易度が異彩を放つ力作。ステージクリアなどで得られる「コイン」を稼ぎ、支払うことでコンティニュー回数の最大値増加、特別なコンテンツの解禁が図れるシステムも面白く、高いリプレイ性が表現されていたのも面白かった。

■Nintendo World Championships ファミコン世界大会(NS)
コンマ1秒を競うタイムアタックに時間を忘れてハマり込んでしまうという、意外な中毒性が光る良作だった。ハマりやすさを際立たせる良好なキーレスポンスとリトライ機能も好印象。ただ、収録タイトルは『ファミコンリミックス』と少し差別化して欲しかった。

■サガ エメラルドビヨンド(PS5/PC)
「独壇場」のシステムは、紛れもなくターン制コマンドバトルの新境地を切り開いた発明。敵が残り1体になっても勝利は保証されず、逆にひっくり返される可能性が残り続ける緊張感は、このゲームでしか体験できない唯一無二のものだった。SFからファンタジーまでごちゃ混ぜな世界観もまた然り。

ただ、本作よりも積んでいた前作(サガスカ)のプレイ時間が上回ったのはいかがなものか(汗)。

ほかに『Minishoot’ Adventures』(PC)『魂斗羅 オペレーション ガルガ』(PC/PS5)『プリンセスピーチ Showtime!』(NS)も良かった。『Rise to the Ronin』(PS5)『祇(くにつがみ): Path of the Goddess』(PS5)も有力候補だったのだが、残念ながら一区切りに至らず。『Rise to the Ronin』はベスト5入りもあり得るほど面白かっただけに、できれば一区切り着けたかった……。無念。

旧作ベストは、2024年発売タイトルだが『Castlevania Dominus Collection』(NS/PC)。

長らく現行環境への移植において懸案が存在していた『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』が、ボタン操作とタッチ操作の双方に完全対応した最新バージョンになって復活!まさかオリジナル当時に夢見た、ボタン操作で完結する『蒼月の十字架』が遊べる日が来るとは思いもしなかった。残る『ギャラリーオブラビリンス』、『奪われた刻印』もタッチ絡みの要素がボタンとタッチの両方に対応。さらに巻き戻し機能と中断セーブにも対応したことで、素材回収などのやり込み周りのハードルも下がるなど、オリジナル版を超える快適性を獲得した。加えて、アーケード版『悪魔城ドラキュラ』と、同作を現代リメイクした事実上の新作『悪魔城ドラキュラ Revisited』までも収録!
正直、移植の実現だけでも歓喜の報せだけど、ここまで手の込んだ復刻になるとは思いもしなかった。しかも、リメイクながら新作のステージクリア型ドラキュラまで遊べちゃう太っ腹にも程がありすぎる内容。これをベストにせずしてどうすると言わんばかりの力作だった。この素晴らしすぎるコレクションを開発したM2には最大級の敬意と感謝を。本作で確立されたDSのゲームを現行環境で再現するノウハウは、ぜひ他の名作の復刻に活かしてほしい。

残る旧作ベストとしては『まーるい地球が四角くなった!?デジボク地球防衛軍』(NS)、2024年発売タイトルだが『ゲームセンターCX 有野の挑戦状 1+2 REPLAY』(NS)、『スーパーマリオRPG』(NS)、『New Super Lucky’s Tale』(PC)の4タイトル。『デジボク地球防衛軍』は繰り返しになるが、もっと早く遊ぶんだった。

最後に10個の部門別に印象に残ったタイトルをピックアップ。

■惜しい部門:『闇の仕事人KAGE Shadow of The Ninja』(PC/NS)
正直、ここにピックアップするのはかなり迷った。事実、ゲームとしては決して惜しい出来ではない。オリジナルのファミコン版の魅力や特色はそのままに、操作性の改良や武器システムの一新を図り、グラフィックと演出を大幅に強化した非常に手の込んだリメイク作品に仕上がっていた。素直に良作と言い切れる。
なのに、なんでここにピックアップしたのかと言えば、ラスボス戦の曲!オリジナル版当時に聴き惚れた熱い名曲で、どんな風にアレンジされるのかを個人的にずっと楽しみにしていた。だが、蓋を開けてみたら、オリジナル版の熱いノリが消え失せたアレンジに!より熱く、盛り上がる曲になるのかと期待していた身としては、盛大にズッコケた。ラスボス戦の構成がオリジナルから変更されたのを踏まえて、という狙いは理解できたが、事前の期待から拒否反応が出てしまい、結果的に強烈なモヤモヤ感が残ってしまった。その構成変更を踏まえて追加された新曲も正直、印象に残らず……。むしろ、新ステージ用の曲の方が印象に残るというオチだった。
だいぶ特殊な経緯からの選出になってしまったが、ゲーム自体の出来が良かっただけに、発売前からもの凄く期待していた部分が豪快に外れてしまったのが本当に惜しかった。繰り返しになるが、ゲームとしては惜しい出来じゃなくて良作。でも、音楽面でモヤモヤしちゃう仕上がりだった。

■ネタ部門:『13 Seconds』(PC)
ガチで2024年度屈指の挑戦状だった。たった13秒がこれほど長いと感じさせられるゲームもなかなかに珍しい。

■ギャップ部門:『神無迷路』(PC/NS)
どこからどう見ても『か●いたちの夜』です、ありがとうござ……と見せかけて、実態は現世の果てで少女が恋を唄うかのようなSF色濃い目のストーリーでビックリ仰天。これぞまさにギャップ部門に相応しいタイトル。

■キャラクター部門:笑み男(『ファミコン探偵倶楽部 笑み男』)
夢物語だった『ファミコン探偵倶楽部』の新作を現実にしてくれた救世主。本編の彼は救世主とは言いがたいキャラクターだったが、その誕生の経緯と顛末は、今後もゲームを通して振り返っては考えていきたい。

■グラフィック&ビジュアル部門:『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』(NS)
ドット絵時代のシリーズの活き活きとしたアニメーションを3Dへと違和感なく落とし込んだ作りに拍手。あと、なぜだかよく分からないが、このデザインの影響なのか、いつになくクッパが可愛らしく見えた。

■ミュージック部門:『サガ エメラルド ビヨンド』(PC/PS5)
『Victory Heat Rally』と『FF7リバース』、『笑み男』も有力候補だったが、「心躍らせて」と「扉を超えて」という素晴らしく熱い戦闘曲との出会いがあったことからこちらに軍配。当然のようにその後、サントラを買いましたとも。

■アイディア部門:『サガ エメラルド ビヨンド』(PC/PS5)
そして、アイディア側でも選ばれた。繰り返しになるが「独壇場」は本当に目から鱗の発明だった。

■残酷部門:『Mute Crimson DX』(PC)
あんなにもカワイイ蛾(!)を容赦なく斬り捨てるとは、ニンジャ無慈悲なり。
まあ、それ以上に流血表現が色んな意味でやり過ぎだったが。

■癒し部門:『BORE BLASTERS』(PC)
マシンガンでの穴掘りが、こんなにも無心になれるほど気持ちいいとは思わなかった。

■どうしてこうなった部門:『Tetris Forever(テトリス フォーエバー)』(NS)
『Castlevania Dominus Collection』が歓喜の復刻コレクションなら、こちらは悲嘆の復刻コレクション。なぜオリジナル版にあったセーブ機能を丸ごと削り、隠し要素を体験しにくくする形にして復刻させた!?Switch版に限り、スーパーファミコンの復刻タイトル中心に酷い音割れが残ったままのものを出した?長らく復刻を待ち望んでいた『テトリス武闘外伝』が、こんなあんまりな形で世に出てしまったのは、『Castlevania Dominus Collection』の件もあってもの凄くガッカリした。
ただ、ドキュメンタリー部分の出来は圧巻。当時の任天堂関係者(山内溥社長、横井軍平さんなど)も登場するエピソードはもの凄く面白くて見応えがあった。字幕の翻訳に関しても、『Hollow Knight』に『Dead Cells』といった名作インディーゲームで実績のある伊東龍さんが担当されているだけにあって申し分なし。このドキュメンタリーに限れば、史料的価値の高い傑作だと言える。
それだけに復刻コレクションとしての出来の悪さが残念極まりない。そこも万全な状態にして出して欲しかった。

せめてもの救いは、開発側が改善に乗り出していること。その流れで前述の音割れは、最新のアップデートで修正された。なぜか取っ払われたセーブ機能の復活に関しても、2025年初頭にはアップデートで対応すると出ているので、いずれはお薦めできるコレクションタイトルへと様変わりすると思う。それでも、セーブ機能の廃止は「それは最初から削らずに残しておけよ!」と思うところもあるが。
なににせよ、問題なく遊べる状態になったら、なんらかの形でフォローしたい。

そんなこんなの2024年でした。
改めて振り返っても、『ファミコン探偵倶楽部』の新作発売はホントに寝耳に水だった。

あと、こんなに『ファイナルファンタジーVII』と向き合う1年になるとは思いもしなかった。今までエアリスのアレを始め、断片的にネタバレを喰らっていた同作のすべてを把握したことで、なぜ今なお語り草にされるのかの理由を知れたのは大きな収穫でした。これでもう『江戸前エルフ』(アニメ版)の9話を見ても動揺せんぞ!

2025年も引き続き、『ファイナルファンタジーVII』には『クライシスコア ファイナルファンタジーVII リユニオン』などの派生作品に触れるなりして向き合っていく。
ほかの『ファイナルファンタジー』シリーズも可能な限り行脚していきたい。MMOの『ファイナルファンタジーXI』と『ファイナルファンタジーXIV』は触れるかどうか、今のところ未定だが(汗)。

そして、2025年は『メトロイドプライム4 ビヨンド』がついに発売される。
それに備えて、過去のシリーズをおさらいする時間も確保しておきたいところです。

そんなこんなで、2025年も素敵な新作、旧作との出会いが沢山あることを願って。