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≫ピクミン2
■発売元 任天堂
■ジャンル AIアクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 5800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1〜2人
■セーブデータ数 3つ(※27ブロック使用)
■その他 ゲームキューブ専用メモリーカード対応、カードeリーダー+対応、GBAケーブル対応、『ピクミンパズルカードe+』おためしカード3枚入り
■総説明書ページ数 48ページ
■推定クリア時間 17〜25時間(エンディング目的)、50〜70時間(完全攻略目的)
『ピクミン』なる生物の助けを借り、不時着した惑星からの脱出に成功し、ホコタテ星へ帰還したキャプテン・オリマー。

だが、オリマーが居ない内に彼が勤務する会社『ホコタテ運送』は、新入社員『ルーイ』の失敗により、倒産の危機を迎えてしまっていた。おまけに合計10100ポコという莫大な借金も抱えてしまい、ますますお先真っ暗…。
ショックのあまり愕然するオリマーだったが、彼が子供の土産にと謎の惑星から持ち帰った物体に突如、ドルフィン初号機が反応。何と、その物体には100ポコの価値がある事が判明。借金は残り10000ポコとなる。

オリマーは社長に、惑星にはこれと似た宝が数多く存在するという事を伝え、それを聞いた社長は、すぐさまルーイにその惑星へと旅立ち、お宝を回収するように命じる。
さっき、惑星から生還してきたばかりのオリマーと一緒に…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆借金返済という生々しい目的が異彩を放つ、自由度の高い基本ゲームシステム
◆状況に応じてピクミンを使い分けていく戦略性の深さと絶妙な調整具合が秀逸なゲームバランス
◆新キャラ『ルーイ』による別行動が可能になり、劇的に敷居が低下したフィールド探索
◆隠し通路から謎掛け、地下洞窟など、ネタが大量に仕込まれた各フィールド
◆ピクミンを増やせないというシビアさが秀逸な、歯応え満点の新ダンジョン『地下洞窟』
◆愛らしい動作と働きっぷりで、大活躍してくれる真の主役『ピクミン』
◆重量型、毒が仕込まれた異色派と、独特の個性を持った新カラーのピクミン達
◆チュートリアルからメニュー周りなど、痒い所まで手の届いた珠玉のサポートシステム
◆大半のボタンを使いながらも、驚くほど直感的に動かせる、抜群の操作性
◆宝物集め、『チャレンジモード』の制覇など、コアユーザーも納得のやり込み要素
◆如何にもそこに実在するかのような質感が秀逸なグラフィック
◆コミカルで何処となく切なさが漂う、完成度の高い音楽
◆ナショナルの単一電池『ハイトップ』を始め、何処かで見た事のあるものが満載の宝物
◆なまめかしい動きが秀逸な敵生物達(フィクションなのに凄くリアル)
◆『愛の歌』の合唱など、小ネタが満載のこだわった演出(ムービーも面白い)

--- Bad Point ---
◆虫嫌いには耐え難い、敵生物達のなまめかしい動き(生理的嫌悪感を覚えるかも…)
◆難易度的に急上昇し過ぎな、中盤から後半の地下洞窟(初心者にはしんどい…)
◆ボス生物が突然出現するエリアの存在(心臓に悪い…)
◆理不尽な所は無いとは言え、初心者にはシビア過ぎる感も否めないゲームバランス
◆少々、冗長過ぎる感が否めないチュートリアル
◆ゲーム攻略の大半が地上ではなく、地下に集中する(地上も充実して欲しかった)
◆生々し過ぎる、ピクミンの水死(泣き声が悲惨過ぎ…)
▼Review ≪Last Update : 4/12/2008≫
一難去って、また一難。

今度は借金返済だ!


ゲームキューブ初のオリジナルタイトルとして発売され、シビアなゲームシステムと手応えのある難易度、そして哀愁漂うCMソングで一躍有名になった『ピクミン』の続編。

より自由なゲームプレイが楽しめるようになった、秀作AIアクションゲームだ。

前作『ピクミン』のゲーム内容は、「ピクミンという不思議な生き物に指示を与えながら、惑星内に散らばった宇宙船のパーツを回収し、30日以内に惑星からの脱出を目指す」というのが目的のシビアなものだった。対して今作は、「ピクミンに指示を与えて、惑星内の各マップに散らばっている宝物を集め、10000ポコの借金返済を目指す」というAIアクションゲームに変更。何とも生々しい内容に改まっている。
借金返済が主な目的と聞いて、期限日があるのではと連想する方が…中にはいらっしゃるかと思うが、本作の借金返済には期限日など存在しない。つまり、例え何百日かかってたとしても、最終的に10000ポコを返す事ができれば、それでOKなのだ。故に、今作はじっくりまったり…プレイヤーの自由気ままに楽しめる作りとなっているのだ。
前作のシビアなシステムが馴染めなかった方にとっては、嬉しい改善と言えよう。
だが、日数制限が無くなったとは言え、時間制限のシステムはそのまま。基本的に本作の舞台となるフィールドマップには、朝から夜までの時間が存在しており、これが過ぎると1日が終了、次の日へと移行する仕組みとなっており、ある程度、行動に制限がかけられている。しかも、これは後ほど詳しく紹介するが、主人公達が隊列として加えていないピクミン達は、一日を終えた夜の内に活気付いた原生生物達によって食われ、死亡してしまうという恐るべきペナルティまでもが用意されている。だから1日を終えると言っても、そう簡単に終える訳にもいかない。それなりの準備を整えてから終えないと、返って後で苦労するハメになったりするのだ。そう言ったシビアさは、バッチリ残されている。今作でも改めて、弱肉強食が全てである世界観のシビアさをとくと、思い知らされるだろう。
だが、何も1日はメニュー画面で任意に終える事もできるようになっているので、わざわざ無理にぶっ通す必要は無い。シビアとは言え、ちゃっかり緩さも盛り込まれているのだ。
また、自由度が高くなったからと言って、決してゲーム自体の難易度が下がった訳ではない。相変わらず、宝物とかを回収する際には謎を解いたりと言った知恵が必要となるし、凶悪な原生生物との戦いを強いられる事も多い。また、今作では地上の他に『地下洞窟』というマップも存在し、探索対象となるエリアも増えている。しかも、この『地下洞窟』ではピクミン達を増やす事ができないのはおろか、登場する敵達も地上よりも凶悪なものがほとんどだったりと、難易度はかなり高め。一筋縄ではいかないバランスとなっているのだ。この他にも、プレイヤーの宝物探しを邪魔してくる敵原生生物達にも新しい種類が登場し、凶悪さと気色悪さがパワーアップ。
確かに、日数制限が無くなり、自由にマップが探索できるようにはなった。だが、制限時間やそれによるペナルティ、そして宝物の回収も一筋縄では行かなかったりなどと、相変わらずシビアな要素は満載で、今作も全体的に凄く緊張感溢れる内容となっているのだ。前作が『制限から来る緊張感』だったのに対し、今作は『範囲が広がった故の緊張感』があると言ったところか。まったりしているが故の新しい手応えが満載なのである。

だが、何も全てが厳しくなった訳ではない。今作ではプレイヤーが操作する事になる主人公オリマーは攻撃手段が大幅に増え、戦闘能力が劇的に向上しているのみならず、新たに相棒として『ルーイ』というキャラクターが登場し、別行動による探索が行えるようになったなど、格段に行動が楽になっている。
それに、本作の主役『ピクミン』達にも新しい仲間が増えたおかげで、探索の幅と戦闘における戦略性が広くなったのも見逃せない。『ピクミン』とは、舞台となる惑星に住む不思議な賢い生物で、地面に埋まっているのをオリマーで引っこ抜く事で誕生、それ以降、オリマーの周囲に寄り付き、宝物を回収してくれたり、バリケードを破壊してくれたり、そして原生生物と戦ってくれたりしてくれる、非常に頼もしいパートナーキャラ。『オニヨン』と呼ばれる施設(?)に『ペレット』という栄養源を入れれば、数を増やす事ができ、隊列を組む事ができたり、軍団攻撃ができるようになったり等、どんどんパワーアップしていくのだが、水に弱かったり(一部除く)と言った軟弱体質な為、死に易いという大きな特徴を持っている。
また、ピクミンにも色々な種類があり、炎攻撃に強く、攻撃力も高い赤、水の中で溺れず、水による攻撃を無効にする青、そして電気攻撃を無効にし、高いジャンプ力を持つ黄色が存在する。あらゆる状況に対応できるという万能なものは存在しないので、探索では、それらのピクミン達の能力を考慮しながら、状況に応じて使い分けていく必要がある。賢い生物とは言っても、プレイヤー側も賢く使わねば、彼らも活躍してくれないのだ。
少し大雑把だが、これがピクミンという生物のあらましである。
それで、今作ではこれらの3種類に加えて、『紫』と『白』のピクミンが新たに登場。前作以上に多彩な戦術が扱えるようになっている。両者の特徴も面白く、前者は重量型のピクミンで、一体一体のパワーが高く、重いものも軽々と持ち上げる特技を持ち、そして後者は体内に毒が仕込まれたピクミンで、毒ガス地帯を歩いたり、敵に食われた際に致命傷を与える事ができると言った過激な特技を持っている。通常のピクミンとは違い、彼らは『オニヨン』を使って生み出す事ができず、赤青黄のいずれかのピクミンを特殊な『花』に入れ込む事で誕生させられる存在な為、あまり数を増やす事はできないのだが、いずれもプレイヤーの宝物探しや敵との戦いで大いに活躍してくれる。
特に『紫』の使い勝手の良さはなかなかのもので、何よりもパワーがあるので沢山、ピクミンをそろえなくても軽々と宝物の回収が行えたり、また強力な敵生物に致命傷を与えたりできるので、あらゆる場面で大活躍してくれる。重量級のピクミンという事で、投げた際に「ドスン!」という音と共に着地する演出も微笑ましく、その投げた際の衝撃を使って敵にダメージを与えた際の快感もなかなかなので、必見だ。
更に今作では、全種類のピクミン達の基本能力を一時的に強化させる『スプレー』なるサポートアイテムも登場。これもまた新ピクミンと同様に、戦術の幅を大いに広めている。ただ、ピクミンの能力を強化させるものだけで無く、敵を石化させるものなど、風変わりなものが用意されているのも地味に注目だ。
他にも手に入れた宝物によって便利なサポートシステムが追加されたり、オリマー自身に特殊なアクションが備わるものもあったりなど、シビアさと対抗する為の処置は豊富に盛り込まれている。それらの対策を駆使して、難関を乗り越えていく快感は格別。このように今作、シビアとは言えそれに対抗する為の手段も豊富に用意されており、誰もが気軽に楽しめる気配りが成されているのだ。如何にも任天堂らしい、ユーザー思いな配慮と言える。

ゲームバランスも色々とシビアとは言え、基本的には適度に優しく、適度に難しくの丁度良さなので理不尽な所は一切なし。難易度の高い地下洞窟でも、そのバランスは一貫されているので、誰もが納得の手応えを味わえる。謎解き等も落ち着いて考えれば解けるものがほとんど。ストレスを感じる事も全く無い、絶妙っぷりが全開だ。
操作性、丁寧なチュートリアルも秀逸。特に操作性は大半のボタンを使うとは言え、メインとサブが丁度良いバランスで区切られているので、触ってて全く苦を感じない作りになっているのが見事。レスポンスも良好で、Cスティックでピクミンを突撃させる際の手応えは、その光景も含めて面白過ぎだ。
ボリュームも申し分無く、宝物コンプリートや地下洞窟制覇、そして本編以外で用意された『チャレンジモード』など、やり込み要素もバッチリ。ゲーム本編と同様に一筋縄ではいかない手強さで、やり込み派プレイヤーも大満足できるはずだ。
グラフィックと音楽も秀逸。特にグラフィックはアニメーションの生々しさが秀逸。敵生物のなまめかしい動きには、思わず生理的な嫌悪感を感じてしまうほど。背景も美しく、何処かの家の庭みたいな空気感が滲み出ているのも必見だ。

作中で集める宝物も、ナショナルの単一電池『ハイトップ』(注:本物!)やチチヤス乳業の牛乳ビンのフタ(これも本物!)など、ツッコミどころ満載。中にはゲーム&ウォッチやあの『謎の村雨城』のディスクがあったりと、任天堂ファンなら思わず「ニヤリ」としてしまうものが用意されているのも要チェックだ。
ほとんど探索が地下に集中する事や一部のエリアに、突然現れるボス生物が出現する箇所があったり、また敵生物の動きが気持ち悪いなど、人によってはしんどい欠点もあるが、ゲームとしての完成度は相当なもの。この自由に宝物集めをしていく面白さと弱肉強食の世界観が色濃く反映された絶妙なゲームバランス、そしてツッコミどころ満載の小ネタ、ピクミン達の可愛い動作、充実したボリュームなど、前作以上にゲーム的な魅力が増したこの『ピクミン2』。 初心者、上級者、そして前作経験者問わず、ゲームキューブを持っているユーザーならば、是非とも遊んでおくべき逸品だ。この不思議な世界を舞台に繰り広げられる、おかしなおかしな宝物集めは、本作でしか味わえないオリジナリティがある。
但し、虫嫌いの方にはきつい表現が多々登場するので、ご注意を。
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