≫ロックマンゼロ3
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■発売元 |
カプコン |
■開発元 |
インティ・クリエイツ |
■ジャンル |
アクション |
■CERO |
A(全年齢対象) |
■定価 |
5040円(税込) |
■公式サイト |
≫こちら ※音が鳴ります |
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▼Information
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■プレイ人数 |
1人 |
■セーブデータ数 |
5つ(※バッテリーバックアップ:リチウム電池形式) |
■その他 |
ゲームボーイアドバンス専用通信ケーブル対応、カードeリーダー+対応、バトルチップゲート対応 |
■総説明書ページ数 |
24ページ |
■推定クリア時間 |
2〜5時間(エンディング目的)、12〜20時間(完全攻略目的) |
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レジスタンス司令官エルピスの暴走劇から2ヵ月後。
ネオ・アルカディアからの攻撃も沈静化してきたある日…。
レジスタンスのもとに巨大な宇宙船が雪原に墜落したとの情報が入る。その現場に『ダークエルフ』と同じ強力なエネルギー反応があると知ったシエルは、ゼロとレジスタンスの仲間と共に調査へと向かう。
そこで彼らが見るものとは…?
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▼Points Check
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--- Good Point ---
◆前作よりも更にロックマンらしく、そしてシリーズのらしさも蘇ったゲームシステム
◆ミッションの開始早々にボスと鉢合わせしたりと、前作よりも更に予想だにしないものが倍増したゲーム展開
◆意地悪な地形が減り、安定したアクションの面白さが守られているステージ構成
◆自分好みのゼロを作れる面白さに満ち溢れた新要素『チップカスタムシステム』
◆難易度を下げたステージ攻略に挑める、初心者救済処置としても上手くまとまっている新要素『サイバー空間』
◆敵を吹っ飛ばす爽快感と抜群の使い勝手の良さが秀逸な新ウェポン『リコイルロッド』
◆サテライトエルフの登場により、更に扱い易くなったサイバーエルフシステム
◆武器のスキルアップシステムが廃止され、完全に消滅した作業感(ロックマン復活!)
◆過去のシリーズ以上に動かす面白さと爽快感が満ち溢れた、抜群の操作性
◆ボスの攻撃パターンが把握し易くなったりなど、劇的に優しくなったゲームバランス
◆エルフ集め、ディスク集めなど、これまで以上に充実したやり込み要素群
◆満を持してデモカット機能が追加され、爆発的に向上したゲームテンポ
◆テイストは変わらないが、随所で様々なこだわりが炸裂している美麗なグラフィック
◆より印象深く、そして聴き応えのあるものに進化した音楽(名曲満載)
◆シリーズ屈指の熱過ぎるストーリー(中盤から終盤にかけての展開が熱い!)
◆ほとんどおまけ程度に抑えられている、各種連動要素
--- Bad Point ---
◆おまけ程度に抑えられてるとは言え、ほとんど意味を成してない連動要素(無駄)
◆黒と暗めの緑で背景が統一される都合でやや見難い『サイバー空間』
◆随所において流用ボスが目立つ(特に中盤の3体のボス達は…)
◆Aランク以上になると途端に弱体化し、逆にAランク以下になると異様に強くなるボス『デスタンツ・マンティスク』
◆ディスク解析の手順が面倒(いちいち、解析部屋まで行かなきゃならないのは…)
◆いま一つな出来のミニゲーム(本当におまけ程度…)
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▼Review ≪Last Update : 4/5/2008≫
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遂に暴かれる、衝撃の事実!
彼は本当に伝説の英雄なのか…!?
ロックマンXシリーズの正統な後継作としてリリースされ、爽快なゲーム性と独自性溢れるゲームシステムで好評を博した『ロックマンゼロ』シリーズ第三弾。
全てが洗練され、より遊び易さが向上したゲームシステムと衝撃のストーリー。
紛れもなくGBAアクション史上、最高の完成度を誇る名作だ。
ゲーム内容は前作『ロックマンゼロ2』と共通。基本はミッションクリア型の2Dアクションゲームだが、ミッションはあくまでもおまけ扱いで、実質は昔ながらのロックマンらしさ溢れる、ステージクリア型の2Dアクションゲームとなっている。
今作では、そのステージクリア型の色彩が前作以上に濃くなっており、前作では輸送物資を守ったり、人質を救助したりと言ったミッションが道中、用意されていたりしたが、今回はそのようなミッションが激減。どのミッションも、基本的に「各ステージの最後に待ち構えるボスの部屋を目指す」…というアクションゲームとしてはシンプルなものが大半を占めるようになり、ますます初代の頃の独自性が薄くなってしまった。前作のゲームシステムを土台として作られているだけに、こうなるのも仕方が無いと言えばそうだが、初代からこのシリーズをプレイしてきた方にとっては、この露骨な旧態依然っぷりには一種の切なさを覚えるだろう。
だが、何も全てのミッションがそうなってしまった訳ではない。あるミッションは基本はステージクリアながらも初っ端からいきなりボスと対面、その後に彼との競争をする事になるものがあったり、またあるミッションでは後半、任天堂のメトロイドシリーズを彷彿とさせる探索をする事になったりなどと、初代の「予想だにしない展開」が活かされた箇所は用意されている。更に今作は、メインのストーリー自体も一捻り加えられており、メインのボス達とは違ったボス達との戦いが始まったりするなど、予想だにしない展開が沢山用意されている。
実際、ゲーム自体の手応えが前作以上に過去のロックマンっぽくなってしまった感は否めない。しかしながら、全てを古くしているのではなく、先述の通りゲーム展開の面で過去には無い捻りを加えていたり、またミッションによってはそれまでに無い、新しいアイディアを取り入れた展開を用意していたりなどと、初代のらしさは僅かとは言え、守られている。
何よりも今作、ゲームの展開が過去のロックマンシリーズに無いほど、意外性溢れるものになっている事、そして先に挙げたミッションでのイベント群は、そう言ったこのシリーズならではの路線を守ろうとした事の現われだろう。こういうロックマンゼロらしさが残されているだけでも、今作の作りには親しみが湧く。
まさに今作は、過去の要素と現在の新しい要素が上手く絡み合った作品…と言うべきだろうか。実に新生シリーズとしては理想的な仕上がりとなっているのだ。守るべき所は守り、新しい事には地味でも果敢にチャレンジする。この絶妙な仕上がりには過去、スーパーファミコンで発売された初代『ロックマンX』と似た匂いがする。
そんな「新しい事」の現れとも言える、シリーズの好例となりつつある、新システム群の導入は、今作でも積極的に行われている。だが、今回はこれまでとは格が違う。と言うのも、前作までは無理矢理新しい要素を入れた感じが強く、練られている印象が薄かったのだが、今作はどの新システムもしっかりと練り込まれているのだ。当然のように、モノが練り込まれているだけに、ゲームプレイ上での不快感も無い。素晴らしいほど、今回の新要素はゲーム面に溶け込んでいるのである。これには前作までのシリーズをプレイした方なら、あまりの丁寧な仕事っぷりにビックリしてしまうだろう。
そんな今作にて、新たに導入されたのは『チップカスタムシステム』、『サイバー空間』、『リコイルロッド』、『サテライトエルフ』の計4つ。先の繰り返しになるが、今回はこの4つ全て、実に素晴らしい仕上がりとなっている。中でも秀逸なのが『チップカスタムシステム』。前作の『フォームチェンジ』の代わりとして導入されたゼロの性能強化システムで、全部で三箇所の部位(ヘッド、ボディ、フット)に色々なチップを組み込む事でゼロを強化できるのだが、これが抜群に使い勝手が良い上、救済処置としても見事に機能している。と言うのも、用意されているチップがどれも凄く便利!チャージ時間を高速化させるものから、敵の攻撃を無効化するダッシュができるようになるもの、氷の床で滑らなくなるものなど、いずれも強力且つ、あらゆる状況において活躍するものばかりなのだ。特に敵の攻撃を無効化するダッシュは、アクションゲームがそんなに得意でない方の救済処置として抜群の存在感を放っているだけでなく、ゲームの攻略法の幅を大きく広げている。しかも、これらのチップの組み合わせによっては、ユニークな性能を持ったゼロを作り出す事ができるなど、プレイヤーのカスタマイズ精神を刺激させる遊びが導入されているのも素晴らしい。1つだけ強力な隠しチップもあったりもするが、ゲームバランスをあまり崩さない程度に抑えられているのにも感心するばかりだ。あの前作の無理矢理さは何処へ…と思った方は多いだろう。本当に今作ではこんな感じに、新たに導入されたシステムはよく練り込まれているのだ。
他のサイバーエルフの能力を強制的に発動させる『サイバー空間』、体力回復アイテムを随時、落としてくれると言ったサポートをしてくれる『サテライトエルフ』、そして抜群の使い勝手の良さを誇る武器『リコイルロッド』もまた然りだ。こちらの要素群も、前作までのシリーズを遊んできた方なら、そのあまりの練られっぷりに驚くだろう。
また、『サイバーエルフ』、『EXスキル』、『エレメントチップ』、多彩な武器と言ったシリーズお馴染みの要素は今作でも継承。例によってこれらも上手い具合に再調整が施されており、使い勝手が向上している。逆に『武器のスキルアップ』は今作にて廃止された。元々、単に作業感を煽るだけの要素に過ぎなかったので、これは英断。結果として、今作は最初から多彩な攻撃アクションを繰り出せるようになり、アクションの爽快感が倍増したのは大きい。
守るべき所は守って、ゲームプレイに苦痛を与えるものは削り落とす。今作ではそんな姿勢が一貫されているからこそ、どれも触っているだけで気持ちが良いのだろう。全く持って素晴らしい化けっぷりだ。遂にシリーズに春が訪れた。
操作性、ゲームバランスもこれまで以上にパワーアップ。操作性は先のスキルアップが廃止された事で、キャラクターを動かす面白さが飛躍的に向上している。ゲームバランスも陰湿なトラップが張り巡らされたステージが少なくなり、安定したレベルに落ち着いている。特に、前作で物議を醸したOPステージが簡単になり、敷居が低くなったのはナイスだ。また、ボス戦の難易度も下げられ、攻撃パターンが把握し易くなったのもアクションゲーム初心者には嬉しい改善点だ。
サポート周りも今回は完璧の域。何よりも、ストーリーデモがスタートボタン一発でカットできるようになったのは嬉しい。おかげで、ゲームテンポも爆発的に向上。ミッションを始める前の一時的なデモはカットできないが、これも前作より短めになったのがナイスな改善点だ。
グラフィック、音楽も今回は一段と気合いが入っている。やや、グラフィックは背景にシンプル過ぎるものがあったりするのが気になるが、多重スクロールを豊富に取り入れたり、積極的にアニメーションする背景を盛り込むなど、随所でデザイナーのこだわりが炸裂している。前作で素晴らしい進化を遂げた音楽は、今回も名曲揃い。全体的に耳に残る印象的なものが満載で、中でも『兵器再生工場』と『雪原』は強烈の一言に尽きる。また要所要所において、前作の音楽が流れるなど、ファンサービスが取り入れられているのもニクイ限りだ。
そして、今作はストーリーも素晴らしい。具体的な内容は伏せるが、とにかく中盤から終盤にかけての展開が猛烈に熱い。特にラスボス戦では、あまりに予想だにしなかった敵の出現に、誰もが「ええっ!?」と大声を挙げてしまうだろう。過去のロックマンシリーズファンも、今回は衝撃的な描写が満載なので、是非とも要チェックだ。
また、今作は『カードeリーダー+』と『バトルチップゲート』にも対応。前者はステージの模様替えができたり、後者は使う事によって特別なミニゲームが遊べるようになったりなど、様々な特典があるのだが、正直…これは蛇足。こんなのに手を回すより、もっとゲーム本編の作り込みに集中して頂きたかった。だが、いずれの特典もゲーム進行に支障を与えないだけでなく、単なる「おまけ」程度に落ち着いている辺りは好印象。ミニゲームも、バトルチップゲートを使わなくても出せるなど、ソフト内に対策が用意されているのも救いだ。
無駄な連動要素の存在だけが残念だが、ゲーム自体の完成度は抜群に良く、間違いなくシリーズ最高傑作と言うに相応しい面白さを誇る本作。シリーズファンは勿論、アクションゲームが好きなユーザーならば要プレイの名作だ。
これは文句無しにお薦め。ゲームボーイアドバンスを持ってるユーザーなら、絶対にやるべし。
ただ、ストーリーが繋がってるので、それが気になるという方はまず前作からどうぞ。
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