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≫マリオVSドンキーコング
■発売元 任天堂
■開発元 Nintendo Software Technorogy
■ジャンル パズルアクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 4800円(税込)
■公式サイト ≫こちら
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 3つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 カードeリーダー対応
■総説明書ページ数 16ページ
■推定クリア時間 7〜8時間(エンディング目的)、25〜30時間(完全攻略目的)
キノコ王国で発売されたアクションフィギュア『ミニマリオ』は空前の大ヒットを呼び、あっという間に品切れになってしまった。テレビCMを見たドンキーコングも店に走ったが…案の定、売り切れ。

しかし、そこでドンキーは暴挙に出た。
何と自らおもちゃ工場に乗り込み、ミニマリオを奪い去ってしまったのである!

騒ぎを聞いて駆けつけたマリオは、ミニマリオを取り戻すべくドンキーの後を追うのだが…。
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ステージを淡々と攻略していく、シンプルで取っ付き易いメインゲームシステム
◆パズルと探索の一度に二つの遊びが堪能できる、密度の濃いステージ構成
◆本編マリオシリーズとは毛色の異なる、現代風の世界観が新鮮なステージロケーション
◆か弱いキャラの護衛をする、新たな遊びと緊張感が刺激的な新要素『MMステージ』
◆種類こそ前作に劣るが、相変わらずの芸達者振りが気持ち良い、マリオのアクション
◆限界を突き詰めていく面白さと中毒性に富んだスコアアタック
◆総計12ワールド100ステージの充実したボリューム(スコアアタックによるスター集めなど、やり込み要素もバッチリ)
◆マリオシリーズお馴染みの動かす面白さに富んだ、抜群の操作性
◆適度に優しく、適度に難しくの丁度良さがたまらない絶妙なゲームバランス(難易度)
◆GBAとは思えぬ美麗なCGで彩られたグラフィック(デモ周りとかはかなり派手)
◆マリオらしからぬクールな楽曲が盛り沢山の音楽(ラスボス戦など、名曲も盛り沢山)
◆フルボイスによるデモに仰々しいエフェクトなど、地味に凝った演出群
◆シリーズ史上初のちゃんとした台詞を喋るマリオ(「こらー!」とか普通に喋る!)

--- Bad Point ---
◆うるさ過ぎるデフォルト音量(最大音量にしてヘッドフォンでプレイすると、下手すれば鼓膜に甚大なダメージが行くおそれあり。調節オプションでもあれば…)
◆動機付けが強引極まりない、後半ワールド開始の演出(そもそも後半なんて必要?)
◆事実上、前半ワールドの使い回しに特化した後半ワールド全般(真新しさに欠ける)
◆配置が不自然な、前半ステージ開始前のヒントデモのカットボタン(Bボタンって…)
◆味気無い感が否めない各種ミニゲーム
◆『カードeリーダー』が無ければプレイできない専用ステージの存在
▼Review ≪Last Update : 11/2/2008≫
「なにしてるんだ!」

マリオの第一声。


マリオのデビュー作として名高い初代『ドンキーコング』のリメイク、ゲームボーイ版『ドンキーコング』のシステムを継承した続編。開発は『NINTENDOパズルコレクション』の『パネルでポン』、『テン・エイティ シルバーストーム』などを手掛けた、Nintendo Software Technorogyが担当。

古き良きパズルアクションの魅力と面白さに秀でた傑作だ。

先に話したように、ゲームボーイ版『ドンキーコング』がベースなだけに、その内容とシステムは同じ。シンプルなステージクリア型パズルアクションゲームで、マリオを操ってパズル要素を含んだ個性豊かなステージを攻略していくというものになっている。しかし、ゲームの流れはGB版の『3ステージ攻略⇒ドンキー戦』の繰り返しでなく、『パズルステージ(6つ)⇒MMステージ(後述)⇒ドンキー戦(ボス戦)』の一面単位で進行。更に各ステージは二部構成となっているなど、肝心の中身はGB版と大分異なるものに仕上げられている。
その二部構成のパズルステージこそ、GB版との決定的な違いを現す点の一つ。今作では1つのステージでGB版にもあった鍵を持ち運んで施錠されたドアを開けるパズルエリアのみならず、『ミニマリオ』と呼ばれるおもちゃを回収するエリアも攻略をしなければならないと言う、随分と凝ったものへとその容姿を変えたのである。GB版ではパズルエリアだけで良かったが、今作はそれだけじゃあクリアにならない。地味ではあるが、複雑な進化を遂げてしまっているのだ。
しかし、それで各ステージの攻略にかかる時間まで増幅したのかというと否。基本的にどのステージもエリアごとのボリュームは短くまとめるという気配りが成されているので、そんなに「クリアに時間がかかり過ぎて辛い!」と感じる事は無い。また、パズルの難易度もヌルメ。落ち着いて考えれば簡単に解けるタイプのものがほとんどなので、解くのに数時間も要されたりする事も無い。複雑にはなったけど、従来のテンポのよさはそのまま。そう言った気配りが徹底されているので、基本的にはGB版と変わらず気持ち良く楽しめる作りとなっている。まさにこれぞ、絶妙な複雑化(進化)。任天堂らしい職人技が冴え渡る、上手い仕上がりになっている。
また、もう一つの『ミニマリオステージ(MMステージ)』も秀逸。それまでのパズルステージで集めてきたミニマリオ6体をおもちゃ箱(ゴール)へと誘導する、一種のボーナスステージなのだが、これもまたパズルステージとは一味違う、守り抜く楽しさと緊張感が表現されていて、実に面白いものに仕上げられている。
特にミニマリオ達を守り抜く緊張感の高さは格別。軟弱な彼ら(敵に触れたりすると一発でやられてしまう)を如何に無傷でゴールまで導くか、その為の効率的なルートを考えたりするのは通常のパズルステージには無い考える面白さと戦略的な楽しさを醸し出して実にニクい。舞台となるステージも単にルートを確保すれば良いだけの単純なステージのみならず、タイミングを見計らってルートを確保する、アクション性の強いステージもあったりとバリエーションに富んでいる。そしてこのステージの結果(ミニマリオをゴールに連れ帰った数)によって、次のボス戦でのマリオの最大体力が変わってくるという要素も、このステージでの展開に良いアクセントをつけている。腕に自身のある方ならば一人しか誘導しないなど、阿蘇の遊びの多彩さには思わず魅了されてしまうだろう。
こうも本編とは違う遊びでありながら、そちらとゲーム性をマッチさせ、違和感無く一つの遊びとして確立させているのはつくづく驚くばかり。適当にやってもアリの懐の広さも、良い意味でプレイヤーの棲み分けを実現していて面白い。二部構成のパズルステージと同様、この辺のまとめ上げの上手さは流石、任天堂と言ったところだ。

そんな今作最大のセールスポイントは、古き良きパズルアクションの面白さへのこだわり。アクションとパズルが絶妙なバランスで融合されたステージ、遊び応え満点のやり込み要素(スコアアタック)、そしてプレイヤーキャラことマリオの多彩なアクションと、いずれのファクターも、今作はこの手のゲームとしては申し分の無い作り込みが成されている。
特にやり込み要素、スコアアタックの中毒性の高さは強烈。今作では各ステージに『目標スコア』が設定されており、これを超えるスコアを獲得すると『スター』の称号を獲得できるのだが、このハイスコアを目指す過程というのがまた、かなり熱いのである。と言うのも、先に話したが今作のステージは何処も短い。スコアを獲得できる敵やアイテムも多く配置されてないので、できる事も限られてくるのである。結局、効率重視の真剣勝負。限られた世界だからこその特性を最大限に活かした、『リスクとリターン』による絶妙な設計が施されているのである。
そんなできる事の少ないステージで高得点を狙わねばならないから、プレイヤーの熱も自然と入る。手早く進行できるルートをいち早く見出し、実際にプレイして更に効率的なルートを突き詰めていく…。今作はそう言った、「突き詰める面白さ」と言うのが大変しっかりしているのだ。だからこそ一度クリアしたステージも、更なる高みを目指したくて何度も遊びたくなる。短い構成であるが故の中毒性とやり込み甲斐の深さを徹底的に追求した、職人的な作り込みが成されているのである。またステージが短い故、1回のプレイが直に終わるのも大きな魅力。短いから途中で大きな失敗を犯してもそんなに苦にはならないし、モチベーションも低下し難い。これが無駄に長くて、手間のかかるものであったりしたら、このテンポの良さと中毒性の高さは確実に失われていたに違いない。やり直しが効き易い・何度遊んでも苦にならないというのは、この手のパズルアクションゲームとしては大変優秀なクラスに属すると言ってもおかしくないだろう。 そのスコアアタックの奥深さを演出するマリオの多彩なアクションも秀逸だ。ベースとなったGB版と同様、逆立ちジャンプにバック宙、鉄棒の大車輪ジャンプと言った、本編マリオシリーズでは見られないアクションの数々を今作でも披露してくれ、ステージ攻略のバリエーションの深さを魅せてくれる。肝心のアクションの操作も複雑なものは無く、基本的に二つのボタンの組み合わせで出せる、シンプルなものとなっているので、動かしているだけでも面白い。更にシンプルだけどやり込めばやり込むほど、ビックリするような動きが出せるようになる、アクションゲーム本来の魅力がしっかりと活きているのは、流石はマリオの名を冠するゲームだけにあると言ったところだ。突き詰めれば突き詰めるほど面白い、今作の魅力を非常に上手く表現している。 このようにGB版をベースとしながらも、全く違った面白さとスリルを演出し、古き良きパズルアクションとしての魅力を徹底追求。同じようで違う、そしてとても任天堂らしくてやり応えのある、大変良質なアクションパズルゲームに仕上げられているのである。あまりに優等生過ぎて、癖の無い所が気になりはするが、パズルアクションだからこその面白さにこだわり、可能な限りの遊びを表現したその職人的なセンスには、、任天堂の手腕の高さを思い知らされる。そういう意味では今作、パズルアクションの教科書的作品と言っても決して、おかしくは無いだろう。

魅力はそれのみならず、アクションを楽しむ快感に富んだ操作性に初心者に優しい豊富なヘルプ機能、携帯ゲーム機の特性を行かしたフルオートのセーブシステムもお見事。ステージの総数も100面以上、更に玩具工場や都会と言った現代的なロケーションも他のマリオシリーズには無い新鮮な味わいがある。登場する敵キャラクター達も、何処となくアメコミっぽさが滲み出た奴らばかりであるので、マリオファンならば要チェックである。
更にそれらのステージやシチュエーションを盛り上げるグラフィック、音楽もなかなかの出来。特に音楽は、マリオらしからぬ現実味溢れる曲が盛り沢山で、他に無い独特の味わいを醸し出している。勿論、名曲も結構あり、その中でもオバケ屋敷のステージ全般、都会ステージ全般、ラスボス戦の曲は一聴の価値ありだ。
しかし、音楽には一つ残念なところがある。それはデフォルトの音量が大き過ぎること。ヘッドフォンをつけ、GBAの音量を最大出力でプレイすると最悪、鼓膜が破れかねないほど…やたらとでかい設定にされてしまっているのだ。しかも最悪な事に、オプションに音量調節モード無し。故に、最大出力でプレイすることすらできないのである。
これは正直、今作の数ある欠点の中では一番痛い。折角、曲は良い出来なのに耳障りになるほどの音量にするとは、大損も良い所だ。本体の音量を下げればどうにかなるとは言え、せめてソフト側に調節機能を導入して頂きたかったところだ。他のゲームをやった後にプレイする際、イチイチ設定しなおさねばならないと言うのは地味に辛い。

また、今作では『二周目』が存在し、これをクリアしなければ完全攻略とならないのだが、その始まりの動機がいささか強引過ぎる。そもそも二周目とかにせず、一周だけで統一した方が、明らかにゲームとしては魅力的だった。どうして、わざわざ分ける必要があったのだろうか。できれば、これは一つにまとめて欲しかったところである。
他にも操作解説の終了ボタンがBボタンだったりなど、地味な欠点はチラホラ。しかし、純粋にパズルアクションとしては十分、合格点を与えられる出来であり、万人にお薦めできる一本だと言い切れる。GB版ドンキーコングが大好きだった方も、純粋な続編として完成された仕上がりとなっているのできっと満足できるはず。
音量設定の欠点とかもあるとは言え、GB版とは異なる面白さを追求したゲームシステム、『突き詰める面白さ』にこだわったやり込み要素と、いずれも高いクオリティでまとめられているこの『マリオVSドンキーコング』。マリオファンからGB版ドンキーファン、そしてゲーム初心者まで自信を持ってお薦めする、パズルアクションの傑作だ。GBAを持っている方なら、一度でもやっておきましょう。元来のアクションゲームの面白さと限界を極める(突き詰める)楽しさがここにある!
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