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≫スクリューブレイカー 轟振どりるれろ
■発売元 任天堂
■開発元 ゲームフリーク
■ジャンル アクション
■CERO A(全年齢対象)
■定価 3800円(税込)
■公式サイト ≫こちら ※音が鳴ります
▼Information
■プレイ人数 1人
■セーブデータ数 3つ(※フラッシュメモリバックアップ)
■その他 振動機能付カートリッジ
■総説明書ページ数 24ページ
■推定クリア時間 7〜9時間(エンディング目的)、17〜25時間(完全攻略目的)
小学生の”ドリ・くるり”は、盗賊団『レッドリル』のボスを父に持つ女の子。

そんなくるりの父”ドリ・ラッセン”がある日、悪徳企業『ドクローラー』による奇襲を受け、生死をさまよう大怪我をしてしまった。しかも、母の形見である宝石『レッドダイヤ』までも盗まれてしまったというのだから、一大事も一大事!

くるりは襲撃の借りを返す為、レッドダイヤを取り戻す為…愛機、『突撃ロボット・ラセンダー8』に乗り、2人の仲間と共に、ドクローラーの本社ビルへと攻め込むのだが…?!
▼Points Check
--- Good Point ---
◆ドリルならではの遊びを徹底的に追求した、熱いこだわりが光るドリルアクション
◆ドリル以外の武器を用意せず、全てをドリルで行うようにした巧緻なゲームデザイン
◆自分がドリルを動かしている手触り感を演出する、振動カートリッジによる絶妙な振動
◆ボリューム満点且つドリルアクションを活かしたギミックに富んだステージ構成
◆アクションゲーム初心者に親切な丁寧且つ分かり易いチュートリアル
◆いつでも何処でも行える自由度の高さが嬉しい、親切な中断セーブ機能
◆ドリルを動かす面白さとロボットの重みがヒシヒシと伝わってくる、秀逸な操作性
◆初心者と上級者双方の腕の差に幅広く対応した、絶妙且つ巧緻なゲームバランス(くるりの能力強化を行える『よろずや』の存在がバランスの幅広さを演出している)
◆ドット絵ならではの温かみが溢れた、味わい深いグラフィック
◆アクションゲームらしい、場の雰囲気を盛り上げる曲が充実した音楽(名曲も満載)
◆こだわり過ぎにも程がある、ド派手な演出(特にボスの爆発演出は無駄に凄い)
◆王道ながらも、熱い展開が盛り沢山の練り込まれたストーリー
◆上級者向けの隠しステージ、高難易度モードなど充実したおまけ要素

--- Bad Point ---
◆重量感を押し出した為か、若干遅いキャラの移動スピード(良い点でもあり、悪い点)
◆ホバリングの操作など相当な慣れが要求される、空中アクション
◆少し作業っぽい雰囲気が出てしまっている、ワールド5のボス戦
◆やや少ない感のある、エンディングまでの総計ボリューム(その分、ステージが長いが)
◆悪い意味で切な過ぎるラスボス戦(詳細は伏せるが、あれは質素過ぎ!)
▼Review ≪Last Update : 4/19/2008≫
私には、このドリルさえあれば良い。

ドリルさえあれば、向かうところ敵なし!


『ポケットモンスター』シリーズでお馴染みのゲームフリークが、8年ぶり(1997年の『BUSHI青龍伝〜二人の勇者〜』以来)にリリースした、完全新作のアクションゲーム。

ドリルならではの遊びを徹底的に追求したゲームデザインが光る、GBAの隠れた名作だ。

ゲーム内容は正統派のステージクリア型2Dアクションゲーム。プレイヤーは主人公くるりを操作し、各ワールドごとに用意された多彩なステージを攻略し、本編を進めていく。今時、珍しいほどに”真っ当にアクションゲーム”している作りで、スーパーファミコンやメガドライブで発売されたアクションゲームが好きな方には心底たまらない内容となっている。しかし、ただ古めかしいだけではなく、如何にも今の時代のゲームらしい要素(チュートリアルなど)、そして本作ならではの新しい遊びも数多く盛り込まれている。
そんな今作における最大の売りがドリルアクション。文字通り、今作ではドリルを使って敵と戦ったり、仕掛けを解除しながら各ステージを攻略していくのである。
だが、ドリルを使ったアクションというと、大抵の方は前方にドリルそのものを突き出したままで、バリバリと敵を倒していくものを想像するかと思う。他社のゲームで例えるならば『ディグダグ』や『ミスタードリラー』シリーズ…と言った感じに。
ところが、今作のドリルはそんな針のように突き出して使うタイプのものではない。ちゃんとプレイヤー自らがドリルそのものをしっかりと回転させて、尚且つ速度も上手く調整しながら扱うという、実際のドリルらしさを押し出したものになっているのだ。前方に出してあとは「ギャハハノハ〜!」の精神で突っ込めば無問題とか…そんな単純なものではない。恐ろしいまでにドリルらしさ溢れるアクションゲームとなっているのだ。まさに、アクションゲームとしては史上初とも言える、ドリルを本格的な武器として成立させた作品だと言っても、決して過言ではないだろう。
しかも、それでいて本作が凄いのは、このドリル以外にサブウェポン…予備の武器を一つも用意していない事。ステージに張り巡らされた仕掛けを解除するのもドリル!大ジャンプをする時もドリル!敵の攻撃を回避するのも攻撃するのもドリル!水中を泳ぐのだってドリル!更に、空を飛ぶのもドリル!ありとあらゆるアクションをドリルだけで行わせてしまうという、怖いまでに一貫したゲームデザインが成されているのだ。
これにはただひたすら、圧倒されるばかりだ。何処まで、ドリルにこだわったら気が済むんだ、と。それでいて、他の武器に逃げたりせず、ひたすら1つの武器にこだわった姿勢には惚れ惚れする。開発スタッフが如何に「ドリルを使ったアクションゲームを世に送り出す」という事に情熱を注いでいたかを感じ取る事ができる。
勿論、ドリルで出来るアクションは先に挙げたものだけに留まらない。敵が発射する弾をはじき返したり、ドリルの回転力でダクトを突き進む、更に閉ざされたドアの入口を開ける、ドリルをブロックに突き刺し、その反動で反対側の足場へと移ると言った高度なアクションも出来るようになっており、アクションゲーマーの上達意欲を否が応にも刺激させる。
また、ドリルはステージ内に配置されている『ギア』を取る事で、最大三段階にまで回転速度がレベルアップし、それまで突破する事が困難だった通路が楽に通れるようになったり、敵に大ダメージを与える事ができるようになったりと言った、プレイヤー自身が強くなった事を実感できる遊びが取り入れられているのも実に面白い。
ここまで、『ドリル』という基本コンセプトにブレが無いゲームも正直、珍しいと言っていいだろう。それほどまでに今作では、新しい手応え満載、それでいて昔懐かしい香りの漂うアクションゲームに仕上がっているのだ。同時に「アイディア次第でまだまだ2Dアクションゲームは面白くなる」……そんな”希望”も今作ではしみじみと感じさせられる。

そんなドリルアクションを駆使して乗り越えていく、ステージの構成も素晴らしい。ドリルを使ったアクションという事からして、敵をバリバリと倒していく爽快感溢れる内容なのかと想像しがちであるが、実際は意外にもギミック攻略…仕掛けや謎かけの攻略に重きを置いた作りとなっており、多種多様なドリルアクションの妙味が味わえる、非常に良い意味で複雑且つ奥深い仕上がりとなっているのだ。また、各ステージのボリュームも相当なもので、たった1つのステージをクリアするだけでもあっという間にお腹いっぱいになってしまうほど。恐ろしいまでにネタが充実しているのだ。
ただ、そんなギミック重視の作りであるが故、敵を倒す爽快感を求めていた方にとっては正直、肩透かしを喰らう内容になっているのも事実。だが、基本がギミック重視とは言え、敵の大群がプレイヤー目掛けて襲い掛かってくる所があったり、大量に積まれたブロックをドリルで一気にぶっ壊していく所があったりなど、アクションゲームの醍醐味である、ひたすら前へと突き進んでいく爽快感が活かされた場面もしっかりと用意されているので、心配は御無用。そう言った、爽快感を求めるユーザーへの配慮は万全だ。
また、爽快感を求めるユーザーのみならず、アクションゲーム初心者への配慮も万全。序盤は意地悪なトラップや敵を沢山配置せず、操作に慣れる為の優しい地形とし、尚且つ丁寧なチュートリアルを導入して基本的な流れと操作の癖を覚えてもらうようにするなどと、ゲームフリークらしい思いやりが炸裂している。
難易度の上げ方も実に絶妙だ。先の通りに序盤は凄く簡単にしながらも、中盤辺りからやや難しくし、終盤ではこれまでのおさらいと言ったような感じに難しくするなど、プレイヤーの腕の上達に合わせたバランス調整が終始、徹底されている。更に各ステージの仕掛けにも、理不尽に回避するのが困難なトラップが配置されている事も無く、冷静に対応すれば軽々と突破できるものばかりな所にも、そんなバランス調整の妙が光っている。
更に、先ほどにステージのボリュームが相当なものになっていると話したが、これに関する対策も今作は万全で、携帯ゲーム機のハード特性を活かした『中断セーブ機能』が導入されており、何時でも何処でも止められる気軽さを実現しているのも流石の一言に尽きる。ぶっ通しでやるのではなく、チマチマとやっても大丈夫というそのプレイスタイルの幅広さは、如何にも携帯ゲーム機のアクションゲームらしさが出ていて印象的だ。
この他にも、先のドリルアクションを活かした個性豊かなトラップ群と意表を付いた展開の数々、そしてバリエーション豊かなボス戦など、魅力は尽きない。
『ドリル』という基本コンセプトにブレを生じさせない為の徹底した気配りは勿論の事、1つの真っ当なアクションゲームの面白さへのこだわりも今作では随所にて炸裂。開発スタッフの新たなアクションゲームを確立せんとする熱い思いがひしひしと伝わってくるのだ。ゲーム中のどのステージを遊んでも、「これはドリルじゃないとダメだよな!」と感じてしまうのは、まさにその思いがぶつけられたが故の賜物と言えるだろう。全く…凄過ぎだ。

操作性もドリルを装備したロボットならではの重みとドリルで物を破壊する手応えが滲み出ていて素晴らしい。特に後者は振動カートリッジの効果もあって、よりダイレクトにその感触を実感できるのが秀逸だ。
先のチュートリアル以外のサポートも充実。体力の上限を増やせるアイテムが購入できる『よろずや』なるショップシステムが用意されていたり、仲間達による攻略アドバイスのメッセージが用意されていたりなどと、初心者への配慮は他にも沢山行われている。特に『よろずや』は実に秀逸で、ここでしか体力の上限を増やすアイテムを買えなくしたのは英断。これにより、アクションゲームが苦手なユーザーはアイテムを購入し、得意な方は購入せずにプレイするという難易度の自然な差別化が図られ、プレイの幅の拡大を実現している。イージー、ノーマルと言った難易度選択機能以上に、このシステムは自然で、尚且つ説得力のある難易度選択機能だと言えよう。上手すぎる。
グラフィックと音楽も見事な出来。特に音楽は疾走感溢れる名曲が盛り沢山。否が応にもプレイを盛り上げてくれる。密かにサウンドテストも搭載するなど、ゲーム音楽好きの心をくすぐる配慮が凝らされてるのも最高だ。
そして、演出も仰々しくて見応え満点。特に、「幾ら何でもド派手にやり過ぎだろ!」とツッコミたくなる、ボス撃破時の爆発演出は超必見だ。更に熱過ぎるストーリーも同じく必見。序盤は至って平坦ながらも、中盤から燃える展開が繰り広げられていくので、ついつい感情移入してしまうこと間違いなしだ。ラストステージとかは特に凄いので要チェック。

この他、高難易度の隠しステージやお宝集め等、おまけ要素&やり込み要素も充実。
移動が少し遅い為、ややテンポが悪いのと一部、面倒なボスが存在したり、空を飛ぶアクションは結構慣れが要求されたりなどと、地味な欠点もチラホラと存在しはするが、アクションゲームとしての総合的な完成度はかなりのもの。
一切ブレの無いゲームコンセプトと丁寧なゲームデザイン、そして練り込まれたステージと充実したサポート、ノリの良い音楽と、昔と今の要素が絶妙に織り混ざり、今までにない新しい魅力と手応えが醸し出されている本作。
アクションゲーム好きは勿論の事、アクションゲーム初心者から苦手な方まで幅広く楽しめる、ポケモンでお馴染みのゲームフリークが精魂を込めて作り上げた名作ドリルアクションゲームだ。これは、冗談抜きにお薦め。GBAを持っているユーザーなら必ずやっとくべし!アクションゲーム屋として蘇った、ゲームフリークの本気がここにある。
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