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≫江戸前エルフ
■放送局 MBS、TBS、BS-TBS
■配信サイト Amazonプライムビデオ、U-NEXT、ABEMA、DMM TV、Hulu、バンダイチャンネル(ほか)
■放送時期 2023年4月8日~2023年6月24日(※全12話)
■原作 樋口彰彦(『コミックDAYS』連載)
■監督 安齋剛文
■シリーズ構成 ヤスカワショウゴ
■アニメーション製作 C2C
■声の出演 尾崎由香、小清水亜美、相川遥花、関根 瞳、生田 輝、釘宮理恵、市ノ瀬加那、能登麻美子…(ほか)
■販売元 Happinet
■定価 14,300円(Blue-Ray Box:税込)≪全3巻≫
▼登場ゲーム及びゲーム効果音出展先一覧 ≪Last Up Date : 1/14/2024≫
※いずれも実物ではなく、モデルとした架空のもの
◆Nintendo Switch(有機ELモデル)
◆Nintendo Switch PROコントローラ
◆ニンテンドーDS
◆DUAL SHOCK 4

※台詞、演出周りでのネタとして登場
◆ファイナルファンタジーVII
◆かまいたちの夜
◆シムシティ(スーパーファミコン版)
◆ストーリー概略
東京都中央区月島。
江戸時代より、400年以上の歴史を刻む『高耳神社(たかみみじんじゃ)』。
祀られたるそのご神体は、異世界から召喚され、すっかりひきこもったエルフでした。
◆作品解説


月刊漫画雑誌『少年マガジンエッジ』にて、2019年6月17日より連載中(※2024年1月現在は漫画配信サイト『コミックDAYS』に移籍して連載中)の漫画『江戸前エルフ』(作者:樋口彰彦)を原作するテレビアニメ。2023年4月から6月までの3ヶ月間、毎日放送、TBS『アニメイズム』枠にて放送された。全12話。
アニメーション制作は『GO!GO!575』、『はるかなレシーブ』、『魔女の旅々』などを代表作とするC2C。監督は同社制作のアニメで『GO!GO!575』、『ひとりぼっちの○○生活』などで同ポジションを務めた安斎剛文氏。シリーズ構成および全話の脚本は『食戟のソーマ』シリーズ、『処刑少女の生きる道』などに携わったヤスカワショウゴ氏が担当している。
キャストはそれぞれのエルフの巫女、その血縁者および友人に若手・新人の声優を、エルフ側にベテラン声優を配役した形になっている。また、本作には「EDOMAE ELF」の英題が付けられているのだが、アニメ版では(なぜか)「OTAKU ELF」に変更。また、原作では架空だった一部の商品が実物(実名)として登場する。

江戸時代に徳川家康によって召喚され、現代では拝殿に引きこもってゲームにプラモ制作などのオタク趣味をエンジョイするエルフ「エルダ」と、その15代目の巫女である女子高生「小金井小糸(こがねい こいと)」の日常をメインに描いたコメディ作品。ぐうたらすぎるエルダに小糸が振り回されたり、逆にエルダ自身が小糸とその妹である小柚子(こゆず)、同じく過去に召喚されたエルフたちに翻弄される様が大きな見所となっている。また、ストーリーの合間には、エルダによる江戸時代の東京の風習解説も挟まれるなど、ちょっとした歴史の勉強もできてしまうのも見所のひとつ。さらにストーリーは全編コメディという訳ではなく、人間とは寿命が異なるエルフの悲哀も描かれる。そのような場面ではエルダ自身も過去の巫女たちに思いを馳せたり、物悲しい表情を見せるなど、日常時とは異なる雰囲気をまとったキャラクターとして表現されている。かと言って、必要以上にその話題を引っ張らないよう、描く時間は最小限にとどめたりと、全体的にはコメディ作品としてのらしさを重視。その塩梅が絶妙であり、見る者に強烈な印象を残す内容に仕上げられている。

一連の見所は原作由来のものだが、アニメ版もその魅力を忠実に再現。一部のエピソードでは原作とは違った流れで進行するものもあるが、より盛り上がったり、見た際の印象がより強くなっているなど、総じて効果的に作用した仕上がりになっている。原作では架空とされていた商品が一部、本物で登場するところも笑いを誘う。とりわけ開幕早々における強烈な一撃たる「レッドブル」は、各話のエンディングでも決まって登場するほど優遇されている。ほかにもローカルネタとして実物が登場するものもチラホラ。舞台である東京・月島に関しても街中の店舗から神社は架空ながら、その構図は実際の月島を忠実に再現。聖地巡礼してみれば、その完成度の高さを認識させられるはずだ。キャスト陣も特にエルダ役、小清水亜美氏のゆる~い演技はクセになるものがあり、人によっては毒されかねないほど。小糸役の尾崎由香氏もキャラクターのイメージにハマっており、エルダと同じく、原作漫画を読んでいても勝手に脳内で再生されてしまうほど鮮烈な印象を残す。他のキャスト陣でも、大阪(関西)のエルフであるヨルデに釘宮理恵氏、石川(北陸)のエルフであるハイラには能登麻美子氏と、それぞれの出身地を踏まえた配役がされているのが面白い。しかも、ハイラに関してはそのお付きの巫女である小伊万里いすずを演じるのが市ノ瀬加那氏と、某魔女のアレを知る人ならば穏やかじゃないキャスティングになっている。なお、聞く所によれば偶然の一致(産物)だとかなんとか。ちなみに原作には宮城(東北)のエルフと巫女も登場しているのだが、初お披露目がアニメ放送後だったことから、こちらには登場しない。



全体的にゆるく楽しめる作品だが、江戸時代の雑学を知れたり、エルフと人間という寿命の異なる種族特有のテーマを描くなど、単なる日常コメディに完結していない作りが異彩を放つ。本放送が深夜遅くだったことから、リアルタイム時は視聴難易度が高かったが、Amazonプライムビデオを始め、一部サイトで配信されているので、内容に興味がある人はぜひチェックいただきたい作品だ。アニメのみならず、原作漫画も素晴らしい仕上がりになっているので、アニメを楽しんだら突撃してみるのも一興だ。
◆ゲーム登場&効果音使用場面
エルダは引きこもってオタク趣味をエンジョイしているという設定から、作中には実物ではないものの、Nintendo Switchが頻繁に登場。自室のテーブルにもニンテンドーDS(※スライドパッドがないことから3DSではない)、DUAL SHOCK 4と思しきものが置かれている。というか、いずれも本作のプロモーションビデオの時点でガッツリ登場している(※原作にも普通に登場している)。Nintendo Switchに関しては大抵、エルダが寝っ転がりながら携帯モードで何かを遊んでいる。
ただ、10話「みっつの都のエルフと巫女のはなし」ではテレビモードでPROコントローラを手に持ち、”ウデマエ”の上限要素があるゲームを遊んでいる様子が描かれた。おそらくは謎の猫が審判役の”ス”から始まるゲームと思われる。おお、ジ●ッジよ。

また、9話「Time After Time」では部屋掃除の過程で発掘された箱の中から(実物ではないが)NINTENDO64本体が登場。後半では『ファイナルファンタジーVII』(作中では『FF7』呼び)の有名なネタバレとデマに関する話題が語られている。

ほかに11話「名探偵コマちゃん」では、演出の過程で『かまいたちの夜』をオマージュしたサウンドノベル風の演出が。さらにその後にもスーパーファミコン版『シムシティ』の災害発生イベント(およびドクター・ライト)をオマージュした演出がある。
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